金属の性格診断?イオン化傾向がわかれば電池や錆の不思議がスッキリ解決!

イオン化傾向は性格診断?

私たちの身近な生活には、たくさんの金属が使われています。例えば、お風呂場の蛇口、台所のシンク、あるいは大切にしているアクセサリーの指輪。これらはすべて金属ですが、実はそれぞれ「錆(さび)やすさ」が全く違います。

公園の鉄棒は雨にさらされるとすぐに赤く錆びてしまいますが、お母さんの金の指輪は何年経ってもキラキラと輝いたままですよね。この「錆びやすさの違い」こそが、今回学ぶイオン化傾向の正体です。この仕組みを知ると、どうして使い捨てカイロが温かくなるのか、あるいはどうして電池から電気が流れるのかといった、世の中の不思議がスッキリと解決します。

ミライくん ミライくん
佐藤先生、理科の授業で習ったイオン化傾向っていうのが、呪文みたいで全然覚えられないんです。貸そうかな、まあ……みたいなやつ。そもそも、これを知ると何が嬉しいんですか。
佐藤先生 佐藤先生
ははは、確かにあの覚え方は呪文みたいだね。でも、イオン化傾向は「金属たちの性格診断」だと思えばいいんだよ。ミライくんは、自分から進んで誰かにプレゼントをあげるタイプかな。それとも、もらったものを大事に持っておくタイプかな。
ミライくん ミライくん
うーん、僕は美味しいお菓子をもらったら、誰にもあげずに持っておきたいタイプです。
佐藤先生 佐藤先生
なるほど。実は金属の世界にも、それと同じような性格があるんだ。金属にとっての宝物は「電子」という粒なんだけど、この電子を「すぐに誰かにあげて身軽になりたい金属」と、「絶対に離さずに持っておきたい金属」がいるんだよ。この「電子をあげてイオンになりたがる度合い」を順番に並べたのがイオン化傾向なんだ。
ミライくん ミライくん
電子をあげちゃうと、その金属はどうなるんですか。
佐藤先生 佐藤先生
良い質問だね。電子をあげてしまうと、金属は「イオン」という状態になって水に溶け出してしまうんだ。つまり、目に見える固体の金属から、水に溶けた透明な状態に変わる。これが私たちが普段目にしている「錆びる」とか「腐食する」という現象の第一歩なんだよ。
ミライくん ミライくん
えっ、じゃあ「イオン化傾向が大きい」っていうのは、「すぐに溶けてボロボロになりやすい」ってことですか。
佐藤先生 佐藤先生
その通り。逆にイオン化傾向が小さい金属は、電子をしっかり握りしめているから、めったなことでは溶けない。だから金やプラチナは、何千年も前のエジプトの遺跡から出てきてもピカピカのままなんだ。
ミライくん ミライくん
なるほど。金が高級なのは、単に珍しいだけじゃなくて、性格がすごく控えめで安定しているからなんですね。
佐藤先生 佐藤先生
そうだね。ここで一度、教科書に出てくる有名な順番を見てみようか。

リチウム、カリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、鉛、(水素)、銅、水銀、銀、白金、金。

佐藤先生 佐藤先生
これがイオン化傾向の大きさの順番だ。左に行くほど「電子をあげたくてたまらない、お調子者で溶けやすい金属」。右に行くほど「電子を離さない、頑固で立派な金属」だよ。
ミライくん ミライくん
これ、やっぱり長くて覚えにくいですよ。
佐藤先生 佐藤先生
定番の覚え方はこれだ。「リ・カ・貸・そう・か・な、ま・あ・あ・て・に・す・な、ひ・ど・す・ぎ・る、借・金」。
リ(Li)カ(K)貸(Ca)そう(Na)か(Mg)な(Al)、ま(Zn)あ(Fe)あ(Ni)て(Sn)に(Pb)す(H2)な、ひ(Cu)ど(Hg)す(Ag)ぎ(Pt)る、借(Au)金。
ミライくん ミライくん
あ、最後が「借金」なのは、白金の(Pt)と金の(Au)をかけているんですね。これなら覚えられそうです。
佐藤先生 佐藤先生
さて、この順番が分かると「電池」の仕組みが完璧にわかるようになるよ。電池っていうのは、性格の違う二つの金属を隣り合わせにして、電子を無理やり移動させる装置んだ。例えば、亜鉛と銅を使って実験してみよう。
ミライくん ミライくん
亜鉛と銅……さっきの呪文だと、亜鉛の方が左側にありますね。
佐藤先生 佐藤先生
正解だ。ということは、亜鉛は「電子をあげたい」性格で、銅は亜鉛に比べれば「電子を持っておきたい」性格だ。この二つを電解質(塩水など)の中に入れて線でつなぐと、亜鉛が「もう我慢できない。電子をあげるよ!」と言って、電子を銅の方へ押し出すんだ。
ミライくん ミライくん
電子が動くっていうことは、それが電気の流れになるんですか。
佐藤先生 佐藤先生
そうなんだ。電子は亜鉛から銅に向かって走っていく。この電子の移動が電流を生むんだね。ちなみに、電子を放り出した亜鉛はどんどん水に溶けてボロボロになっていく。これが電池が「なくなる」ということなんだ。
ミライくん ミライくん
電池の寿命は、金属が溶けきっちゃうことだったんですね。面白い。
佐藤先生 佐藤先生
もう一つ、日常生活で役に立つ知識を教えよう。ミライくん、アルミホイルと鉄の包丁を一緒に洗って、そのまま重ねて置いておいたらどうなると思う。
ミライくん ミライくん
え、どうなるんですか。
佐藤先生 佐藤先生
実は、イオン化傾向が違う金属同士が水分を介して触れ合うと、片方が急激に錆びやすくなるんだ。アルミは鉄よりもイオン化傾向が大きい。だから、アルミが身代わりになってどんどん酸化して、鉄を守ろうとするんだ。これを防食と呼んだりするけれど、意図せず触れさせておくと、大切な道具がすぐにダメになってしまうこともあるんだよ。
ミライくん ミライくん
性格の相性を知らないと、損をしちゃうこともあるんですね。
佐藤先生 佐藤先生
その通り。それから、使い捨てカイロもこの仕組みを応用しているよ。中に入っている鉄粉が、空気中の酸素と反応して電子を出す。その時に熱が出るんだ。これも鉄の「電子を出したい」という性格を利用しているんだね。
ミライくん ミライくん
イオン化傾向って、ただの順番じゃなくて、金属たちがどう動くかの「取扱説明書」みたいなものなんですね。
佐藤先生 佐藤先生
完璧な理解だね、ミライくん。最後にまとめてみようか。

結論

イオン化傾向とは、金属が電子を放り出してイオン(水に溶けた状態)になりたがる性格の強さを表したものです。

リ・カ・貸・そう・か・な、ま・あ・あ・て・に・す・な、ひ・ど・す・ぎ・る、借・金の順番で、左側にある金属ほど電子を放出しやすく、水に溶けやすくて錆びやすい性質を持ちます。逆に右側にある金や白金などは、非常に安定していて錆びにくい性質があります。

この性格の違い(差)を利用して、電子を一方から他方へ流す仕組みが電池です。また、この傾向を知ることで、どの金属が錆びやすいかを予測し、建物の腐食を防いだり、日常生活の道具を長持ちさせたりすることができるようになります。

つまり、イオン化傾向を理解することは、金属という個性の強いキャラクターたちの付き合い方を知ることなのです。

理解度チェッククイズ

問1:イオン化傾向が「大きい」金属の性格として正しいものは?

問2:覚え方「リカ貸そうかな…」の最後、一番右側にくる最も安定した金属は?

問3:電池の仕組みで、電子が流れ出すのはどちらの金属?

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