三平方の定理がわかる!最短距離を出すコツを佐藤先生が解説

斜めに走れば近道になる?三平方の定理が教えてくれる「最短距離」の魔法

学校のグラウンドで、ミライくんは角にあるサッカーゴールから、対角線上にある反対側の水道まで移動しようとしています。

「普通に歩くと、縦の辺を通って、それから横の辺を通って歩くから……結構遠いんだよなあ。でも、グラウンドの真ん中を斜めに突っ切れば、かなり早く着く気がする。これって実際、どれくらい短くなっているんだろう?」

私たちは日常生活の中で、無意識に「斜めに進むのが一番早い」ということを知っています。しかし、その「斜めの長さ」が具体的に何メートルなのかを計算しようとすると、意外と難しいものです。

実は、紀元前のはるか昔から知られている「三平方の定理(ピタゴラスの定理)」という魔法の公式を使えば、直角さえあればどんな場所でも、この斜めの長さを一瞬で割り出すことができるのです。


佐藤先生
佐藤先生

ミライくん、グラウンドの真ん中をじっと見つめてどうしたんだい?

ミライくん
ミライくん

あ、佐藤先生。あっちの水道まで行きたいんですけど、縦に30メートル歩いてから横に40メートル歩くのと、斜めにバーッと走るのとで、どれくらい距離が違うのかなって考えていたんです。

佐藤先生
佐藤先生

それは面白い疑問だね。実はその「斜めの長さ」は、数学の力を使えば計算だけで出せるんだよ。

ミライくん
ミライくん

えっ、メジャーで測らなくてもわかるんですか?でも、斜めの長さって測るのが難しそうだし、何か特別な道具が必要なんじゃないですか。

佐藤先生
佐藤先生

必要なのは、ノートと鉛筆、そして「三平方の定理」という公式だけだよ。ミライくん、今頭の中で描いたコースは、ちょうど「直角三角形」の形になっていないかな?

ミライくん
ミライくん

確かに、縦の道と横の道は直角に交わっていますね。そこに斜めの線を入れるから……あ、直角三角形だ!

佐藤先生
佐藤先生

その直角三角形の3つの辺の長さには、ある驚くべきルールがあるんだ。直角を挟んでいる2つの短い辺をa、bとして、一番長い斜めの辺をcとすると、「aの2乗 + bの2乗 = cの2乗」という関係が必ず成り立つんだよ。

ミライくん
ミライくん

2乗……。同じ数字を2回かけるやつですよね。ええと、さっきの僕の例だと、縦が30で横が40だから……。
30 × 30 = 900
40 × 40 = 1600
これを足すと、900 + 1600 = 2500 ですか?

佐藤先生
佐藤先生

正解だ。その「2500」という数字が、斜めの辺を2回かけた数字(cの2乗)になっているはずなんだ。じゃあ、同じ数字を2回かけて2500になる数は何かな?

ミライくん
ミライくん

えーっと、5 × 5 が 25 だから……あ、50だ!50 × 50 で 2500になります!

佐藤先生
佐藤先生

その通り。つまり、斜めに走れば50メートルで済むということだ。普通に歩くと 30 + 40 = 70メートルだから、なんと20メートルも近道になるんだね。

ミライくん
ミライくん

すごい!計算だけで「20メートルもお得」ってわかっちゃった。でも先生、どうして2回かける(正方形を作る)と、そんな綺麗な合計になるんですか?

佐藤先生
佐藤先生

いい質問だね。三平方の定理を理解するコツは、数字だけじゃなくて「面積」で考えることなんだ。直角三角形のそれぞれの辺を1辺とする正方形を3つ作ってみたと想像してごらん。

ミライくん
ミライくん

ええと、短い2つの辺の上に正方形が2つ、一番長い斜めの辺の上にもっと大きな正方形が1つ、乗っかっている感じですね。

佐藤先生
佐藤先生

そう。実は「小さな2つの正方形の面積を合計すると、大きな正方形の面積とピッタリ同じになる」んだよ。これを証明する方法はたくさんあるけれど、一番わかりやすいのは、大きな正方形の中に、小さな正方形をバラバラにしてパズルのように詰め込むイメージだね。

ミライくん
ミライくん

パズル……。そう考えると、なんだか当たり前のことのように思えてきました。でも、いつもそんなに綺麗な数字になるんですか?例えば、辺の長さが「3」と「5」だったらどうなるんだろう。

佐藤先生
佐藤先生

やってみようか。
3の2乗は 9。
5の2乗は 25。
足すと 34。
2回かけて34になる数字……これは、普通の整数にはないよね。

ミライくん
ミライくん

あ、やっぱり。そんなときはどうすればいいんですか?計算できないから、この定理は使えないってこと?

佐藤先生
佐藤先生

そんなことはないよ。ここで、中3で習う「ルート(根号)」という記号を使うんだ。2回かけて34になる数字は「√34(ルート34)」と書けばいい。だいたい5.8くらいかな。

ミライくん
ミライくん

あ、そっか。ルートを使えば、どんな数字になっても答えが書けるんですね。

佐藤先生
佐藤先生

その通り。この三平方の定理は、建築現場で柱が垂直に立っているか確認したり、地図アプリで現在地から目的地までの直線距離を出したりするのにも使われている、とても実用的な知恵なんだよ。

ミライくん
ミライくん

ピタゴラスさん(三平方の定理を見つけた人)って、本当に頭がいいんですね。あ、でも先生、一つだけ気になったんですけど。これ、直角三角形じゃないと使えないんですか?

佐藤先生
佐藤先生

鋭いね!その通り、三平方の定理は「直角三角形」だけの専用ルールなんだ。もし角度が90度より大きかったり小さかったりしたら、この公式は使えない。だからこそ、この定理を使うときは「どこかに直角が隠れていないかな?」と探すのがコツなんだよ。

ミライくん
ミライくん

なるほど。これからは、身の回りの「直角」が宝の山に見えてきそうです。


結論:三平方の定理を完璧に使いこなすための3ステップ

三平方の定理(ピタゴラスの定理)は、直角三角形の辺の長さを求めるための「最強の武器」です。以下の3つのステップを頭に入れておけば、どんな問題でも自信を持って解くことができます。

1.「どこが直角か」を必ず確認する

三平方の定理が使えるのは、直角三角形だけです。まずは、図形の中に直角(90度)があるか、あるいは自分で垂線を引いて直角を作れるかを確認しましょう。

2.一番長い「斜辺」を独りぼっちにする

公式は「aの2乗 + bの2乗 = cの2乗」ですが、一番大切なのは、イコールの右側にくる「c」が「一番長い斜めの辺(斜辺)」であることです。
・短い辺 + 短い辺 = 長い辺
このイメージで立式すれば、数字の入れ間違いを防ぐことができます。

3.最後は「ルート」で仕上げる

計算した結果が「25」や「100」のように、綺麗な数字(平方数)にならないことも多いです。そんなときは迷わず「√(ルート)」をつけましょう。

「斜めは、2乗の足し算で求められる」。このシンプルなルールを覚えるだけで、あなたの数学の視界は一気に広がります。日常生活の中でも、近道を探すときや物の大きさを測るときに、ぜひ頭の中で「2乗のパズル」を組み立ててみてください。

ミライくん
ミライくん

先生、これを使えば僕の部屋に新しい机が入るかどうかも、斜めの長さから計算できそうです!

佐藤先生
佐藤先生

素晴らしい活用法だね。数学は、教科書の中だけじゃなくて、ミライくんの生活を便利にするためにあるんだよ。

理解度チェックテスト

Q1. 三平方の定理「a² + b² = c²」の「c」はどこの長さを表す?

Q2. 辺の長さが 3 と 4 の直角三角形。斜辺の長さは?

Q3. 三平方の定理が使えるのはどんな三角形のとき?

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