英語の長文読解で、単語の意味は全部調べてわかっているはずなのに、なぜか一文の意味がさっぱりつかめない。そんな悩みを抱える中学生は少なくありません。
この問題の核心は、単語という「点」を、文法という「線」で結びつける力が不足していることにあります。
英語が「言葉のパズル」に見える理由
ミライくん
助けてください!英語の長文を読んでいて、単語は辞書で引いたから全部わかるんです。でも、それをつなげると宇宙語みたいになって、結局何を言ってるのか全然わからないんです。
佐藤先生
ミライくん、それは多くの人が通る道だよ。例えば、「リンゴ」「食べた」「昨日」「彼は」という4つの単語があったとする。これ、どう並べる?
ミライくん
ええと、「彼は昨日リンゴを食べた」ですよね。簡単ですよ。
佐藤先生
そうだね。日本語は単語の順番が多少入れ替わっても、語尾に「は」とか「を」があるから意味が通じる。英語において、単語の意味を知っているだけなのは、プラモデルのパーツだけ持っていて、設計図がない状態と同じなんだよ。
ミライくん
設計図……。つまり、並べ方のルールってことですか?
佐藤先生
その通り。特に日本人が一番つまずくのが、「どこからどこまでが、どこにかかっているか」という塊(カタマリ)の問題なんだ。
魔法の合言葉「だれが・する・何を」
佐藤先生
ミライくん、英語の一文を見たら、まず最初に何をすべきだと思う?
ミライくん
えーっと、最初から順番に訳していく、とか?
佐藤先生
ブブー!それだと迷子になるよ。正解は、こちらの記事(
英語の文型 )でも解説している「文の骨格」を見つけること。つまり「だれが(主語)」「する(動詞)」の2つを、何よりも先に見つけ出すんだ。
ミライくん
でも先生、文が長くなると、どれが主語でどれが動詞か混乱しちゃうんです。
佐藤先生
いいところに気づいたね。長文が読めない最大の原因は、主語や動詞の周りに「おまけの飾り」がたくさんくっついているからなんだ。
ミライくん
おまけの飾り?
佐藤先生
そう。例えば、「公園で昨日友達と一生懸命テニスを練習した僕の兄は」という長いフレーズがあったとしても、一番大事なのは「僕の兄は(主語)」の部分だよね。英語では、この「飾り」を一旦カッコに入れて無視する勇気が必要なんだ。
カッコ括りで文を「断捨離」する
佐藤先生
具体的なテクニックを教えよう。以前紹介した
品詞 の一つ、前置詞(in, at, on, withなど)を見つけたら、その後の名詞までをカッコで括ってみてごらん。
ミライくん
やってみます。例えば、The boy in the park is my brother. という文だったら……。
佐藤先生
そう、in the park が前置詞の塊だね。ここをカッコで括るとどうなる?
ミライくん
The boy (in the park) is my brother. ……あ! The boy is my brother.(その男の子は僕の弟だ)っていう、すごくシンプルな形が見えました!
佐藤先生
大正解!「公園にいる」というのは、男の子を説明しているだけの「飾り」に過ぎないんだ。単語がわかるのに意味がわからないときは、この「飾り」が複雑に絡み合って、主語と動詞の距離を遠ざけているときなんだよ。
ミライくん
なるほど。骨組みだけを見れば、実は言いたいことは単純なんですね。
後ろから説明する英語のクセ
ミライくん
でも先生、もう一つわからないことがあります。英語って、説明が後ろに来ることが多いですよね?あれがすごく苦手で。
佐藤先生
それは「後置修飾(こうちしゅうしき)」という英語特有のルールだね。日本語は「箱に入っているリンゴ」みたいに、説明が前に来る。でも英語は "An apple in the box" と、まず「リンゴ!」と言い切ってから、後で「箱の中のね」と付け加えるんだ。
ミライくん
その順番に慣れなくて、頭の中で単語がぐちゃぐちゃになっちゃうんです。
佐藤先生
解決策は、左から右へ、情報の追加をそのまま受け入れる訓練をすることだ。「リンゴ、あったよ、箱の中に」という具合にね。日本語のきれいな文章に直そうとせず、英語の語順のまま理解する。これを「スラッシュ・リーディング」と呼ぶんだ。
ミライくん
スラッシュ・リーディング?
佐藤先生
意味の区切りごとに「/(スラッシュ)」を入れていく方法だよ。
I went / to the library / to study English / with my friend.
(僕は行った / 図書館に / 英語を勉強するために / 友達と一緒に)
こうすれば、長い一文も短いパーツの集まりに見えてくるはずだよ。
「わかる」を「できる」に変えるステップ
ミライくん
なんとなくわかってきました。単語をただ並めるんじゃなくて、骨組みを見つけて、飾りを分けて、前から順番に理解していけばいいんですね。
佐藤先生
その通り。最後に、ミライくんが今日からできる練習法を教えるね。
1.動詞をV、主語をSと書き込んでみる。
2.前置詞の塊を( )で括って、一旦無視して読んでみる。
3.わからない単語があっても、止まらずにスラッシュで区切って最後まで読む。
ミライくん
これなら、分厚い参考書を最初からやり直すよりハードルが低そうです!
佐藤先生
まずは教科書の短いお話からでいい。設計図が見えるようになると、英語はパズルを解くような楽しさに変わるはずだよ。
英語の長文が読めない悩みを解決するためのポイントを、以下にまとめます。
結論:単語の意味がわかるのに文が理解できない時の処方箋
単語の意味を知っているだけでは、英語の文は理解できません。意味を正しくつかむためには、以下の3つのステップを意識することが不可欠です。
1.文の骨格(S+V)を最優先で見つける
文がどれほど長くても、中心となるのは「だれが・どうする」です。真っ先に動詞(V)を探し、その動作主である主語(S)を特定しましょう。それ以外の部分はすべて「飾り」だと割り切ることが大切です。
2.前置詞や修飾語をカッコで括って「断捨離」する
in, at, for, with などの前置詞から始まる言葉の塊や、関係代名詞などの説明部分は、文を複雑に見せる原因です。これらをカッコ( )で括って一時的に除外することで、文の真意が驚くほど明確に見えてきます。
3.返り読みをせず、スラッシュで区切って前から理解する
日本語の語順に直そうとして後ろから訳し戻す「返り読み」は、脳に大きな負担をかけます。意味の区切り(前置詞の前、接続詞の前、長い主語の後など)にスラッシュを引き、英語の語順のまま情報を処理する癖をつけましょう。
「単語の知識」というパーツを、この「文法という設計図」に当てはめていくことで、バラバラだった単語は意味を持った一つの物語へとつながっていきます。
このステップを意識して、まずは身近な英文の「骨組み」探しから始めてみてはいかがでしょうか?次は、実際の一文を使って一緒にスラッシュを引く練習をしてみましょうか。
✏️ 理解度チェック!
Q1. 英語の文で一番最初に見つけるべき「骨格」は何?
A. 難しい英単語の意味
B. 主語(S)と動詞(V)
C. 文の最後にあるピリオド
Q2. 文をシンプルにするために「カッコ」で括るべきものはどれ?
A. 前置詞から始まるおまけの飾り
B. 全ての動詞
C. 自分の名前
Q3. 英語を前から順番に理解するテクニックの名前は?
A. バック・リーディング
B. パズル・リーディング
C. スラッシュ・リーディング
ミライ・キャリアアカデミーでは、
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