【化学】非共有電子対とは?電子式の書き方と分子の形が決まる仕組みを解説
理科室のホワイトボードの前で、ミライくんが元素記号の周りに書かれた点々を数えながら、不思議そうな顔をして首をかしげています。
原子たちが手をつなぐための準備
ミライくん
佐藤先生、この窒素とか酸素の記号の周りについているドット、これって何なんですか。場所によって二つセットになっていたり、一つだけポツンと置いてあったりして、まるでお菓子のトッピングみたいです。
佐藤先生
ミライくん、それはトッピングじゃなくて、原子が持っている「電子」を表しているんだよ。この点々の書き方を「電子式」と呼ぶんだけど、このルールがわかると、どうして水や二酸化炭素ができるのかがパズルみたいに解けるようになるんだ。
ミライくん
電子……。マイナスの電気を持った粒のことですよね。でも、どうして場所によってセットだったり一人ぼっちだったりするんですか。
佐藤先生
そこが今日の主役だね。原子の世界には「ペアになりたい」という強いルールがあるんだ。原子の周りにある電子のうち、一人ぼっちで寂しがっている電子を「不対電子(ふついでんじ)」と言う。この一人ぼっちの電子は、他の原子の一人ぼっちと手をつなぎたがっているんだよ。
ミライくん
手をつなぐってことは、それが結合になるんですか。
佐藤先生
その通り!一人ぼっち同士が手をついでペアになったものを「共有電子対(きょうゆうでんしつい)」と呼ぶ。でも、よく見てごらん。手をつなぐ前から、最初から自分たちの中でペアを組んでいて、他の原子と手をつなごうとしない電子たちもいるだろう?
ミライくん
あ、本当だ。酸素の図を見ると、最初から二つセットになっていて、外を向いていない点々がありますね。
佐藤先生
それが今回のテーマである「非共有電子対(ひきょうゆうでんしつい)」だよ。文字通り、他の原子と「共有(手をつなぐこと)」を「非(しない)」電子のペアのことなんだ。
非共有電子対は「仲良し夫婦」のようなもの
ミライくん
他の原子と手をつながないなら、この電子たちは何のためにあるんですか。あってもなくても同じような気がしちゃいます。
佐藤先生
そんなことはないよ。例えるなら、共有電子対は「これから友達と手をつないで輪を作ろうとしている人」で、非共有電子対は「最初から夫婦で仲良く腕を組んでいて、他の人と手をつなぐ必要がない人たち」なんだ。
ミライくん
なるほど。夫婦はもうペアが完成しているから、新しく誰かと手をつなぐための「手」が空いていないってことですね。
佐藤先生
いい例えだね!だから、非共有電子対が多い原子ほど、他の原子とつなげる手の数が少なくなっていくんだ。例えば、炭素(C)は一人ぼっちの電子が4つもあるから、4人と手をつなげる。でも、窒素(N)は一つ非共有電子対(夫婦)を持っているから、手をつなげるのは3人だけ。酸素(O)にいたっては二つも非共有電子対を持っているから、たった2人としか手をつなげないんだ。
ミライくん
えっ、じゃあ非共有電子対っていうのは、結合の邪魔をしているんですか。
佐藤先生
邪魔というよりは、その原子の「性格」を決めているんだよ。例えば水(H2O)が折れ曲がった形をしているのも、実はこの非共有電子対が関係しているんだ。目には見えないけれど、この夫婦たちが「自分たちのスペースを広く使いたい!」と言って、水素とつないでいる手をグイグイ押し下げているんだよ。
ミライくん
見えない夫婦が場所取りをしているせいで、形が変わっちゃうなんて面白いですね。
電子対の作り方にはルールがある
ミライくん
佐藤先生、この非共有電子対の場所って、適当に決めていいんですか。
佐藤先生
いや、それには「電子式の書き方」という大事なルールがあるんだ。まず、原子の上下左右に4つの席があると思ってほしい。そこに、電子を一つずつ順番に座らせていくんだ。
ミライくん
まずは一人ずつ座らせるんですね。
佐藤先生
そう。4つの席に一つずつ座っても、まだ電子が余っている場合に、ようやく二つ目の電子が同じ席に座ってペアを作る。このときに出来上がったペアが「非共有電子対」になるんだ。
ミライくん
あ、わかった!5個目の電子が座ると、どこかの席がペアになりますね。それが窒素の形になるんだ。
佐藤先生
その通り。ミライくん、完璧だよ。窒素は電子が5個あるから、4つの席に座った後、最後の一つがどこかの席でペアを作る。だから「夫婦1組」と「一人ぼっち3人」という構成になるんだね。この一人ぼっちの数だけ、他の原子と合体できるというわけだ。
結論:非共有電子対を見分ける3ステップ
ミライくん、今日のまとめだよ。化学のテストで電子式が出てきても、この順番で考えれば迷わないはずだ。
ポイント1:非共有電子対は、最初からペアになっている電子のこと。
他の原子と手をつなぐために使われない、自分たちだけのペアです。
ポイント2:不対電子(一人ぼっち)の数だけ、他の原子と結合できる。
非共有電子対が多ければ多いほど、その原子がつなげる手の数は少なくなります。
ポイント3:分子の形を決める「隠れた力」を持っている。
結合には参加しないけれど、空間を占領して他の結合を押しやる力を持っています。
非共有電子対は、化学のパズルを完成させるための「動かないピース」みたいなものなんだ。これがわかると、複雑な有機化合物の構造もスッキリ理解できるようになるよ。
ミライくん
佐藤先生、ありがとうございました!ドットの数にそんなドラマがあったなんて驚きです。これからは、ペアになっている電子を見つけたら「あ、仲良し夫婦がいるな」って思い出すようにします!
佐藤先生
ははは、その調子だね。化学は暗記じゃなくて、こういう「仕組み」を知るのが一番の近道だよ。
理解度チェッククイズ
問1. 他の原子と手をつなぐ(共有する)ことに使われない、最初からペアになっている電子対を何と呼びますか?
問2. 酸素原子(電子を6個持つ)の電子式を書いたとき、非共有電子対は何組できますか?
問3. 非共有電子対について正しい説明はどれですか?
「化学の点々が、面白い仕組みに見えてきた!」
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