2のn乗=nC0+nC1+…+nCn はなぜ成り立つ?二項定理で考える
「先生、
2のn乗 = nC0 + nC1 + … + nCn
っていう式を示せ、って言われたんですが……
正直、どう手をつけていいか分かりません。」
大丈夫。
この問題は、二項定理をうまく使うことに気づけるかどうかがポイントなんだ。
そう。それで十分。
ここでは、
(x+y)のn乗を展開すると、
nC0、nC1、…、nCn が係数として出てくる
という事実だけ押さえておこう。
「でも、二項定理は (x+y)のn乗ですよね。
2のn乗とは違うような……」
そこで次の発想が出てくる。
x や y に、うまい数字を入れたらどうなるだろう?
二項定理は、x と y がどんな数でも成り立つ公式なんだ。
う~ん..
「x=1、y=1 を代入してみよう。」
まず左辺はどうなる?
(1+1)のn乗だから……
2のn乗ですね。
その通り。
次に右辺を考えよう。二項定理の展開では、各項に xの何乗 × yの何乗 が付いているけれど、x も y も 1 だからどうなる?
1の何乗も 1 だから……
全部 1 になります。
つまり右辺は、
nC0 + nC1 + nC2 + … + nCn
だけが残る。
まとめると、
左辺は (1+1)のn乗 = 2のn乗
右辺は nC0 + nC1 + … + nCn
となる。
だから、2のn乗 = nC0 + nC1 + … + nCn が成り立つ。
これで証明は終わりだよ。
この問題で一番大切なのは、計算力ではなく発想だ。
いきなり計算しない
見たことのある形(nC0~nCn)に気づく
二項定理を思い出す
x と y に何を入れればよいか考える
こうした考え方の流れを身につけることが、数学ではとても重要なんだ。
補足 nCrについて
nC0、nC1、…、nCn の意味や計算方法については、必要に応じて以前の記事を確認してみてください。
ちょっとだけ応用の話
ちなみに、この結果はコイントスのような確率の問題でもよく使われる。
「あ、表と裏のやつですか?」
そう。
コインを n 回投げると、全体の結果は 2のn乗通りになる。
一方で、「表が何回出たか」で分けて考えると、
それぞれの通り数は nC0、nC1、…、nCn になる。
その考え方の土台に、今日示したこの等式があるんだ。
もう一度まとめよう
2n = nC0 + nC1 + nC2 + … + nCn
この式は、
二項定理に
x=1、y=1 を代入する
というシンプルな発想で示すことができる。
公式を覚えるだけで終わらせず、
どう使うか、どう気づくかを意識して学んでいこう。
それが、数学を「分かる」から「使える」へ変える第一歩だ。
チェック問題
以下の問題を選択して、各問題ごとに正誤判定が行えます。間違えた場合はワンポイント解説が表示されます。
問題1. (1+1)に x=1、y=1 を代入すると左辺はどれになりますか?
問題2. 右辺 nC0 + nC1 + … + nCn が表しているのはどれですか?
問題3. この等式を示すために使った主な公式はどれですか?
