普通選挙法とは何かをわかりやすく解説|選挙権が広がった理由と意味
目次
普通選挙法とは何だったのか

選挙権拡大の歴史について前回学びましたが、その中で大きな変更だった「普通選挙法」について詳しく知りたいです。

ミライくん「普通選挙法って何が“普通”なんですか?」

佐藤先生「いいところに気づいたね。“普通”というのは、『特別な条件なし』という意味なんだ」

ミライくん「条件って、なんの条件ですか?」

佐藤先生「お金だよ。昔の日本では、たくさん税金を払っている人しか選挙に参加できなかった」

ミライくん「えっ、お金持ちだけ?」

佐藤先生「そう。たとえば地主や大商人など、一部の人だけだった」

ミライくん「それって、ほとんどの人は投票できなかったってことですよね?」

佐藤先生「そこで登場するのが、1925年に成立した普通選挙法だ」

ミライくん「1925年……大正時代の終わりごろですね」

佐藤先生「よく覚えているね。この法律によって、満25歳以上のすべての男子に選挙権が認められた」

ミライくん「“すべての男子”ってことは、お金はいらなくなったんですか?」

佐藤先生「そう。税金をどれだけ払っているかは関係なくなった」

ミライくん「それって、めちゃくちゃ大きな変化じゃないですか」

佐藤先生「うん。選挙に参加できる人の数は、一気に何倍にも増えた」

ミライくん「じゃあ、日本はそのときに“みんなの政治”になったんですか?」

佐藤先生「そこが少し難しいところだね。たしかに大きな前進だけど、まだ完全ではなかった」

ミライくん「どういうことですか?」

佐藤先生「この時点では、女性にはまだ選挙権がなかった」

ミライくん「え……それは不公平ですね」

佐藤先生「そう思うよね。だから普通選挙法は、“ゴール”ではなく“途中の段階”だったんだ」

ミライくん「でも先生、なんでそんな法律が作られたんですか?」

佐藤先生「いい質問だね。理由は一つじゃない」

ミライくん「一つじゃない?」

佐藤先生「まず、社会が変わった。工場で働く人が増え、都市に人が集まり、『自分たちの声も政治に反映してほしい』という気持ちが強くなった」

ミライくん「なるほど……」

佐藤先生「それに、第一次世界大戦後、世界的に『国民が政治に参加するのは大切だ』という考え方が広がった」

ミライくん「日本だけじゃなかったんですね」

佐藤先生「そう。そしてもう一つ重要なのは、政治を安定させるためでもあった」

ミライくん「安定?」

佐藤先生「もし多くの人が政治に不満を持ったままだと、社会は不安定になる。だから『ちゃんと選挙で意見を言えるようにしよう』と考えたんだ」

ミライくん「なるほど……。いいことばかりの法律に聞こえます」

佐藤先生「基本的にはそう。でも、同じ年に別の法律も作られた」

ミライくん「……あ」

佐藤先生「そう。詳しくは次回説明するから名前だけ覚えておけばいい。治安維持法だ」

佐藤先生「でも、“広げる動き”と“抑える動き”が同時にあったことは、覚えておいてほしい」
結論:普通選挙法とは何か

佐藤先生「最後に、今日の話を一言でまとめよう」

ミライくん「お願いします」

佐藤先生「普通選挙法とは、お金の有無に関係なく、多くの人が政治に参加できるようにした法律だ」

ミライくん「参加できる人を広げた法律、ですね」

佐藤先生「そう。そしてそれは、政治を一部の人のものから、社会全体のものへ近づけた一歩だった」

ミライくん「完璧ではなかったけど、大きな前進だった」

佐藤先生「よく分かっているね。今、当たり前のようにある選挙権は、こうした積み重ねの上にある」

ミライくん「選挙のニュース、ちょっと見方が変わりそうです」

佐藤先生「それが一番の成果だよ。歴史は、今の自分とつながっているからね」
チェック問題
問題1:普通選挙法が成立したのは何年ですか?
問題2:普通選挙法によって選挙権が認められたのはどの層ですか?
問題3:1925年時点で女性は普通選挙法により選挙権を得ていましたか?
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