仮定法が5分でわかる!「現実との距離」を掴む魔法の合言葉

放課後の教室。窓の外では部活動に励む生徒たちの声が響き、オレンジ色の夕日が机を照らしています。中学3年生のミライくんは、英語の教科書を広げたまま、深いため息をつきました。目の前には、明日の小テストの範囲である「仮定法」という文字が並んでいます。
佐藤先生
佐藤先生
おや、ミライくん。ずいぶん深いお悩み中だね。ため息で教室の空気が全部入れ替わっちゃいそうだよ。
ミライくん
ミライくん
あ、佐藤先生。……もう、英語が嫌いになりそうです。この「カテイホウ」ってやつ、意味がわからないんですよ。もし明日晴れたら、なら「If it is sunny tomorrow」じゃないんですか? なんで「If it were」とか、急に昔の話みたいな形(過去形)が出てくるんですか? 頭がこんがらがって爆発しそうです。
佐藤先生
佐藤先生
なるほどね。確かに、今まで習ってきた「過去形は昔のこと」というルールが壊されるみたいで、混乱する気持ちはよくわかるよ。でもね、仮定法っていうのは、実はとっても「ロマンチック」で「優しい」表現なんだ。
ミライくん
ミライくん
ロマンチック? 文法がですか?
佐藤先生
佐藤先生
そう。今日はその秘密を、ゆっくり紐解いていこうか。

魔法の合言葉は「現実との距離」

佐藤先生
佐藤先生
まず、ミライくん。「空を飛べたらいいなぁ」って思ったこと、ある?
ミライくん
ミライくん
それはありますよ! もし僕が鳥だったら、学校までひとっ飛びで来られるのに。
佐藤先生
佐藤先生
いい例だね。じゃあ、今のミライくんは鳥かな?
ミライくん
ミライくん
いや、見ての通り人間ですよ。
佐藤先生
佐藤先生
だよね。つまり、「僕が鳥である」というのは、今の現実とは「正反対」のことだ。この「現実とは違うんだけどなぁ」というニュアンスを伝えるのが仮定法の役割なんだよ。
ミライくん
ミライくん
でも、なんで過去形を使うんですか? 今のことなのに?
佐藤先生
佐藤先生
そこが一番のポイントだ。英語では、形を「過去」にずらすことで、現実からの「距離」を表現するんだよ。

佐藤先生
佐藤先生
例えば、友達と喧嘩して「あーあ、仲直りしたいな」って思っているときは現実の話だよね。でも、「もし僕が魔法使いだったら、時間を戻せるのに」と考えるとき、それは今の現実から遠く離れた「空想の世界」の話だろう?
ミライくん
ミライくん
はい。絶対にありえない話ですね。
佐藤先生
佐藤先生
そう。その「ありえなさ」や「現実からの遠さ」を出すために、あえて時間を一つ「昔」にずらすんだ。日本語でも、夢の話をするときに「もし~だったらなぁ」って「た(過去)」を付けるだろう? それと同じ感覚だよ。
ミライくん
ミライくん
あ……! 本当だ。「もし宝くじが当たっ『た』ら」とか「もし僕が君だっ『た』ら」って、今のことなのに「た」を使ってますね。
佐藤先生
佐藤先生
その通り。英語も日本語も、現実じゃないことを言うときは、少し形をずらすという共通点があるんだ。

「もしも」の形を作ってみよう

佐藤先生
佐藤先生
じゃあ、実際に形を見てみよう。基本の形はこうだよ。

もし~ならば(If + 主語 + 過去形)、…だろうに(主語 + would + 動詞の原形)。
ミライくん
ミライくん
ええと、Ifの中に過去形を入れるんですね。でも、後半の「would」って何ですか?
佐藤先生
佐藤先生
これは「will」の過去形だね。willは「~するぞ」という強い意志や未来を表すけれど、それを過去形にすることで「(もし現実だったら)~するのになぁ(でも実際はしないんだけど)」という控えめなニュアンスになるんだ。
ミライくん
ミライくん
なるほど。前半も後半も、セットで「過去」にずらすわけですね。
佐藤先生
佐藤先生
正解! じゃあ、さっきの「もし僕が鳥だったら、空を飛ぶのに」を英語にしてみよう。
ミライくん
ミライくん
If I ... ええと、be動詞の過去形だから、If I was a bird, I would fly in the sky. ですか?
佐藤先生
佐藤先生
惜しい! 実はここが、仮定法のちょっと不思議なルールなんだ。仮定法では、主語が I でも He でも She でも、be動詞は「were」を使うのが伝統的なルールなんだよ。
ミライくん
ミライくん
えっ! If I were? wasじゃないんですか?
佐藤先生
佐藤先生
最近の日常会話では was を使うこともあるけれど、テストや正式な場では were を使うのが決まりなんだ。「wereを使うことで、わざと間違った形にして、これは現実じゃないですよ!と強調している」と考えると覚えやすいよ。
ミライくん
ミライくん
あえて変な形にすることで、「これ、嘘の話だよ!」って合図を出してるってことか。面白いですね。

現実と仮定を見分けるトレーニング

佐藤先生
佐藤先生
じゃあ、次の二つの文の違い、わかるかな?

1.If it is sunny tomorrow, I will go to the park.
2.If I were a millionaire, I would buy a private jet.
ミライくん
ミライくん
1番は「もし明日晴れたら、公園に行くつもりだ」。これは、晴れる可能性があるから、普通の現在形(is)を使ってるんですよね?
佐藤先生
佐藤先生
その通り。これは「条件」と言って、現実に起こる可能性があるときの話だ。
ミライくん
ミライくん
2番は「もし僕が大富豪だったら、プライベートジェットを買うのになぁ」。これは、今僕が大富豪じゃないから、わざと過去形(were / would)にして「ありえない!」って言ってるんですね。
佐藤先生
佐藤先生
完璧だよ、ミライくん! この「ありえない度合い」を使い分けるのが英語の面白いところなんだ。

「もし~を持っていたら」の場合

ミライくん
ミライくん
be動詞じゃないときはどうなるんですか? 例えば「お金を持っていたら」とか。
佐藤先生
佐藤先生
それも同じだよ。have を過去形の had にすればいいだけさ。

If I had enough money, I could buy that game.
(もし十分なお金を持っていたら、あのゲームが買えるのになぁ)
ミライくん
ミライくん
今度は would じゃなくて could が出てきましたね。
佐藤先生
佐藤先生
お、鋭いね! would は「~だろうに」という「気持ち」を表すけれど、could は「~できるのに」という「能力」を表すんだ。使い分けは日本語の感覚と同じで大丈夫だよ。
ミライくん
ミライくん
なるほど。「~だろう」なら would、「~できる」なら could。シンプルですね。

なんでわざわざ「仮定法」なんて使うの?

ミライくん
ミライくん
先生、でも思うんです。わざわざこんな面倒な言い方をしなくても、「僕はお金がないから、ゲームが買えない」って言えば済むじゃないですか。
佐藤先生
佐藤先生
ははは、確かにそうだね。でも、想像してみて。好きな子に「忙しいから会えない」って言われるのと、「もし時間がもっとあったら、君に会いに行けるんだけどな」って言われるの、どっちが嬉しい?
ミライくん
ミライくん
……それは、「時間があったら行きたい」って言われたほうが、気持ちが伝わりますね。
佐藤先生
佐藤先生
だろう? 仮定法っていうのは、現実をただ述べるだけじゃなくて、「本当はこうしたいんだ」っていう自分の「願い」や「後悔」、「優しさ」を表現するためにあるんだ。
ミライくん
ミライくん
ただの文法じゃなくて、気持ちを乗せるための道具なんですね。
佐藤先生
佐藤先生
そう。例えば、「If I were you, I would go.(もし僕が君だったら、行くよ)」という表現。これは「君が行くべきだ」と命令するよりも、ずっと柔らかくて親身なアドバイスに聞こえるんだ。相手の立場を想像しているからね。

まとめと練習問題

ミライくん
ミライくん
なんだか、仮定法がちょっと好きになってきました。形を過去にずらして、現実との距離を置く。それだけでいろんな気持ちが言えるんですね。
佐藤先生
佐藤先生
その意気だ。じゃあ、最後に今日のまとめをしてみよう。

仮定法の基本ルール・まとめ

1.意味:
「もし~ならば(実際は違うけれど)…だろうに」という、現在の事実とは反対の想像や、実現しそうにない願望を表す。

2.形:
If + 主語 + 過去形(be動詞はwere), 主語 + 助動詞の過去形(would / couldなど) + 動詞の原形.

3.なぜ過去形を使うのか:
現在の現実から「距離」があることを示すため。

4.助動詞の使い分け:
would = ~だろうに(推量・意志)
could = ~できるのに(可能)

文の種類 動詞の形(If節) 助動詞(主節) ニュアンス
普通の文 (直説法) 現在形 (If it is...) will / can 起こる可能性がある
仮定法 過去形 (If I were/had...) would / could 実際にはありえない・想像

ミライくん
ミライくん
よし、これなら明日のテスト, いけそうな気がします!
佐藤先生
佐藤先生
頼もしいね。じゃあ、最後に一つだけ問題。
「もし僕に翼があったら、君のところへ飛んでいくのに」
これを英語にできるかな?
ミライくん
ミライくん
ええと。「翼を持っている」は have wings だから……
If I had wings, I would fly to you.
……であってますか?
佐藤先生
佐藤先生
パーフェクト! その調子だよ。
ミライくん
ミライくん
ありがとうございます! なんだか、文法がパズルみたいで楽しくなってきました。
佐藤先生
佐藤先生
それはよかった。もし英語がもっと簡単に理解できたら、ミライくんも苦労しないんだけどね(If English were easier, you wouldn't have a hard time.)。
ミライくん
ミライくん
あ! 先生、今さらっと仮定法使いましたね!?
佐藤先生
佐藤先生
ははは、バレたか。さあ、もうすぐ校門が閉まる時間だ。気をつけて帰るんだよ。
ミライくん
ミライくん
はい! ありがとうございました!

結論

仮定法を理解する最大の鍵は、「時間のズレ」ではなく「心の距離」を捉えることにあります。

  • 今の現実から遠く離れた空想をするとき、英語では時間を一つ過去にずらします。
  • If + 過去形 で「もし~だったら(現実は違うけど)」という前提を作り、
  • would / could + 動詞の原形 で「~だろうに / ~できるのに」という結末を語ります。

「もし~なら(If I was/were)」の形を見たら、それは昔の話ではなく、話し手が「今、目の前の現実とは違うキラキラした世界を想像している」というサインです。この「想像力のスイッチ」こそが、仮定法の正体なのです。

確認テスト!全問正解できるかな?

問1. 「もし私があなたなら、そんなことはしません。」
If I (      ) you, I wouldn't do that.

問2. 「もし暇があれば、手伝えるのに。」
If I (      ) time, I could help you.

問3. 仮定法で「will」の過去形「would」を使う理由は?

英語の「わからない」を「得意」に変えませんか?

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