反復試行の確率を公式暗記なしで理解する|二項分布の考え方をやさしく解説

反復試行の確率(解説) | ミライ・キャリア・アカデミー

最初に結論

同じ条件の試しを何回も行うとき、 「ある結果がちょうど何回起こるか」という確率は、 並び方の数と、それぞれの起こりやすさを組み合わせて考える。

最初は公式を知らなくても、 「どんな並びがあるか」「それは何通りか」 を丁寧に考えれば答えに近づける。

その考えを整理した結果として、 最後に nCk を使った公式 が自然に現れる。

サッカーの試合前。主審がコインを取り出す


「先生、サッカーの試合前のコイントスって、 毎回、表か裏のどちらかですよね。」
「そうだね。 サッカーのコイントスでは、 必ず表か裏のどちらかが出る。」
「今日は同じスタジアムで、 このあと4試合連続で行われるみたいです。」
「いいね。 じゃあ、そのコイントスを見ていると仮定して、 こんな問題を考えてみよう。」

具体例(最初に置く1題)

問題

4試合分のサッカーのコイントスを見ているとき、 表がちょうど2回出る確率はどれくらいか?


● まずは感覚的に考える

「4回中2回なら、 半分くらいな気がします。」
「その感覚は悪くない。 でも数学では、 “どれくらいか”をはっきりさせたい。」
「じゃあ、どうやって考えればいいんですか?」

● 並びを書き出す

「まずは、 “表が2回出る並び”を全部書いてみよう。」
「えっと……
  • 表・表・裏・裏
  • 表・裏・表・裏
  • 表・裏・裏・表
  • 裏・表・表・裏
  • 裏・表・裏・表
  • 裏・裏・表・表
「いいね。 全部で何通りある?」
「6通りです。」

● 1つ1つの並びの起こりやすさ

「次に考えるのは、 この6通りそれぞれが起こる確率だ。」
「全部同じじゃないんですか?」
「その通り。 コイントスは毎回条件が同じだから、 どの並びも起こりやすさは同じだ。」
「順番が違っても、 表が2回・裏が2回なら同じなんですね。」

● 会話⑤ — 全体の確率の考え方

「そう。 だから全体としては、
  • 表が2回出る並びは6通り
  • どの並びも同じ確率
つまり
『1つ分の確率 × 6』
で考えればいい。
「“表が2回出る”って、 中身を分解して考えるんですね。」

● 試合数が増えたら?

「じゃあ、もし10試合分のサッカーのコイントスを見ていて、 表がちょうど4回出る確率を知りたいとしたら?」
「さっきみたいに全部書くのは無理です…」
「そう。 だからここで “並びの数を一気に数える方法” が必要になる。」

● 並びの数の正体

「10回のうち、 “どの回が表になるか”を選ぶと考えてみよう。」
「10個の中から4個を選ぶ、ですね。」
「そう。 その選び方の数を 10C4 と書く。」

● 1つの並びの確率

「そして1つの並びでは、
  • 表が4回
  • 裏が6回
「だから 表の確率を4回分、 裏の確率を6回分、 掛け算するんですね。」

ここまでを整理する

「今までやってきたことを整理すると、
  1. 何回中、何回その結果が起こるかを見る
  2. その並びが何通りあるかを考える
  3. 1つの並びの起こりやすさを考える
  4. それらをまとめる
「公式を使っていないのに、 ちゃんと答えに近づいてますね。」

ここで初めて公式が登場

● 考えを式にまとめると?

「この考え方を、 毎回使える形にまとめたものが、 次の式だ。」
P(ある結果が k 回起こる) = nCk · pk · (1−p)n−k
「今まで考えてきたことが、 そのまま式になってますね。」
「そう。 この公式は、 考え方を短く書いたメモみたいなものだ。」

まとめ

反復試行の確率は、 同じ条件の試しを何回も行ったとき、 ある結果がちょうど何回起こるかを考える問題である。

その本質は、

  • 並び方はいくつあるか
  • 1つ1つはどれくらい起こりやすいか

を組み合わせて考えること。

という形が自然に現れる。

公式は出発点ではなく、到着点。 この感覚が身につけば、 反復試行の確率は確実に理解できている。

チェック問題(選択すると即時判定・不正解時にワンポイント)

問題1: 4回のサッカーのコイントスで表がちょうど2回出る並びの数はいくつ?

問題2: 10回のコイントスで表が4回・裏が6回起こる「1つの並び」の確率を p を用いてどう表す?

問題3: 反復試行の確率で「全体の確率」を求めるときに掛け合わせるのはどれとどれ?

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