【中学生向け】過酸化水素(H₂O₂)の性質をカメレオンに例えて解説!酸化剤・還元剤の見分け方

理科の授業で習う化学反応の中でも、もっとも身近で、かつ不思議な正体を持っているのが過酸化水素水です。ドラッグストアに行くと、オキシドールという名前で消毒液として売られているのを見たことがあるかもしれません。傷口に塗るとシュワシュワと白い泡が出てくる、あの液体です。実はこの液体、ただの消毒液ではなく、時と場合によって自分自身のキャラを使い分けるカメレオンのような面白い性質を持っています。

家庭では掃除の漂白剤としても活躍するこの物質が、化学の世界ではどのように振る舞っているのか、佐藤先生とミライくんの会話を通して、その正体を暴いていきましょう。

佐藤先生 佐藤先生
ミライくん、家で掃除を手伝うときに酸素系漂白剤って使ったことあるかな。
ミライくん ミライくん
あ、あります!お母さんが、シャツの黄ばみを取るのにシュワシュワさせてました。
佐藤先生 佐藤先生
そのシュワシュワの正体が、今日勉強する過酸化水素なんだ。化学式で書くとH2O2。水であるH2Oに、酸素のOがもう一つ余分にくっついた形をしているんだよ。
ミライくん ミライくん
水に酸素がプラスされただけなら、体に良さそうですけど。
佐藤先生 佐藤先生
ところがどっこい、この余分な酸素一つが、実はすごく不安定で暴れん坊なんだ。過酸化水素は、この余分な酸素を誰かに押し付けようとしたり、逆に誰かから何かを奪い取ろうとしたりする、とってもアクティブな物質なんだよ。
ミライくん ミライくん
だから傷口に塗ると泡が出るんですか。
佐藤先生 佐藤先生
そう。傷口にあるカタラーゼという酵素に触れると、過酸化水素はびっくりして自分自身を分解し、水と酸素に分かれるんだ。あの泡の正体は、生まれたての酸素ガスなんだよ。
ミライくん ミライくん
へぇ、あの泡は酸素だったんだ。でも先生、テストだと酸化剤とか還元剤とか、難しい言葉が出てきますよね。あれが全然わからなくて。
佐藤先生 佐藤先生
そこが過酸化水素の最大の特徴であり、中学生が一番つまずきやすいポイントだね。過酸化水素は、基本的には酸化剤として働く。つまり、相手から電子を奪い取って、相手を酸化させるのが得意なんだ。
ミライくん ミライくん
相手から奪うのがデフォルトなんですね。
佐藤先生 佐藤先生
そう。過酸化水素が酸化剤として働くときの反応を式にすると、H2O2が電子を受け取って、最終的に水である2H2Oに変化する。このとき、過酸化水素自身は電子をもらってハッピー(還元)になり、相手からは電子を奪ってボロボロ(酸化)にするんだ。
ミライくん ミライくん
ジャイアンみたいな物質ですね。お前の電子は俺のもの、みたいな。
佐藤先生 佐藤先生
例えがうまいね。でも、ここからが過酸化水素の不思議なところなんだ。相手が自分よりももっともっと強力な酸化剤、例えば過マンガン酸カリウムのような、超ウルトラ級の電子泥棒が現れたとき、過酸化水素は態度を急変させるんだよ。
ミライくん ミライくん
え、どうなるんですか。
佐藤先生 佐藤先生
もっと強いやつが来ると、あ、どうぞどうぞ、僕の電子を差し上げますって、今度は自分が電子をあげる側、つまり還元剤に回るんだ。相手によって自分の役割をコロコロ変えるんだよ。
ミライくん ミライくん
相手が強いと急に弱気になるなんて、すごく人間臭いですね。
佐藤先生 佐藤先生
その通り。還元剤として働くときの過酸化水素は、電子を放り出して、自分は酸素ガスであるO2に変化する。
まとめると、普段は相手から電子を奪う酸化剤。自分より強い奴が来たら電子をあげる還元剤。この二面性が、試験でよく狙われるんだ。
ミライくん ミライくん
どっちになるか見分けるコツはありますか。
佐藤先生 佐藤先生
基本は酸化剤だと思っていい。還元剤になるのは、相手が過マンガン酸カリウム(KMnO4)や二クロム酸カリウム(K2Cr2O7)みたいな、紫色の強烈な薬品が出てきたときだけ、と覚えておけば、偏差値はグンと上がるよ。
ミライくん ミライくん
なるほど。相手の顔ぶれを見て、どっちのモードで戦うか決めるんですね。
佐藤先生 佐藤先生
その通り。最後に、この反応を式で書くときのコツも教えておこう。理科の記述問題でよく出る半反応式の作り方だ。
まず、変化の前後の形を覚える。酸化剤ならH2O2から2H2Oへ。還元剤ならH2O2からO2へ。
次に、酸素の数を水(H2O)で合わせる。
その次に、水素の数を水素イオン(H+)で合わせる。
最後に、電気的なバランスを電子(e-)で合わせるんだ。
ミライくん ミライくん
水、水素イオン、電子、の順番でパズルみたいに埋めていけばいいんですね。
佐藤先生 佐藤先生
そう、そのパズルを完成させれば、高校入試や高校化学の基礎は完璧だよ。

過酸化水素の性質と反応について解説してきましたが、大切なポイントは非常にシンプルです。

まず、過酸化水素は化学式でH2O2と表され、水に酸素が一つ余分についた不安定な物質であるということです。このため、何かのきっかけですぐに分解して、水と酸素になります。傷口で泡が出るのはこの反応によるものです。

次に、化学反応における役割です。過酸化水素は基本的には相手から電子を奪う酸化剤として働きますが、自分より強い相手が来たときだけは電子を差し出す還元剤に回ります。この相手に合わせるカメレオンのような性質が、過酸化水素を理解する最大の鍵です。

最後に、反応の結果、酸化剤として働いたときは水になり、還元剤として働いたときは酸素ガスになるという出口の違いを整理しておきましょう。このルールさえ頭に入っていれば、複雑に見える化学反応式も、パズルを解くようにスムーズに理解できるようになります。

今回の内容を元に、実際の実験や問題に取り組んでみてください。過酸化水素の二面性が見えてくると、化学がぐっと面白くなるはずです。

理解度チェッククイズ

問1:過酸化水素(H2O2)が分解して出る「泡」の正体は何?

問2:過酸化水素が「還元剤」として働くのは、どんな相手が現れたとき?

問3:過酸化水素が「還元剤」として反応したとき、最終的に何に変化する?

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