部分分数分解は「バラバラ」にするのがコツ?佐藤先生と学ぶ魔法の計算術

放課後の教室にて:分解の本当の意味

ミライくん ミライくん
佐藤先生、またこの部分分数分解の宿題で詰まってしまいました。分母がカッコの掛け算になっているやつです。これ、結局は通分の逆をやってるだけですよね?わざわざバラバラにする理由が、どうしても納得いかなくて。
佐藤先生 佐藤先生
ミライくん、いいところに気づいたね。確かに作業としては通分の逆だ。でも、この「バラバラにする」という行為が、実は数学において最強の攻撃手段になることがあるんだよ。
ミライくん
最強の攻撃手段、ですか?
佐藤先生
そう。例えば、ミライくんが巨大な迷路に挑んでいるとしよう。迷路全体を一気に眺めてゴールを探すのは大変だけど、もし迷路を1メートル四方のブロックに切り分けて、一つずつ「ここは通れる」「ここは壁だ」と判定できたらどうかな?
ミライくん
それなら時間はかかるけど、確実に進めそうです。
佐藤先生
部分分数分解もそれと同じなんだ。分母が掛け算になっている「大きな塊」は、そのままでは中身が見えない。でも、それを「小さな引き算」に分解することで、複雑な数式の正体が見えてくる。ちょっとこの問題を一緒に見てみようか。
1 / (x(x+1)) これを、ミライくん流に「引き算の形」に予想して書いてみてごらん。
ミライくん
ええと、とりあえず 1/x と 1/(x+1) を使って引き算を作ればいいんですよね。
1/x - 1/(x+1) これを計算すると、分母を x(x+1) で通分して、分子が (x+1) - x になるから……あ、分子が 1 に戻りました。
佐藤先生
その通り。これが基本の形だね。じゃあ、ミライくん。次の式はどう分解する?
1 / (x(x+2))
ミライくん
さっきと同じように 1/x - 1/(x+2) をやってみます。えーと、通分すると分子が (x+2) - x になるから、分子に 2 が残っちゃいます。
佐藤先生
おっと、元の式は分子が 1 だったよね。分子に 2 が出てきてしまった。どうすればいいかな?
ミライくん
……あ、そうか。出てきた 2 を消すために、全体を 1/2 で掛けておけばいいんだ!
1/2 × (1/x - 1/(x+2))
佐藤先生
大正解だ。この「とりあえず引き算を作ってみて、余計な数字を後で調整する」というのが、部分分数分解を解く一番のコツなんだよ。

驚異の打ち消し:ドミノ倒しの数学

ミライくん
やり方はわかりました。重宝先生、やっぱり「バラバラにするメリット」がまだピンときません。
佐藤先生
よし、じゃあ部分分数分解がその真価を発揮する瞬間を見せよう。この計算をやってみてくれるかい?
1/(1 × 2) + 1/(2 × 3) + 1/(3 × 4) + &dots; + 1/(99 × 100)
ミライくん
うわっ、なんですかこれ。100個も分数を足すんですか?通分なんて絶対無理ですよ。
佐藤先生
普通に考えたらそうだよね。でも、さっきの「分解」を使ってみよう。最初の 1/(1 × 2) はどう書ける?
ミライくん
ええと、1/1 - 1/2 です。
佐藤先生
じゃあ、2番目の 1/(2 × 3) は?
ミライくん
1/2 - 1/3 です。
佐藤先生
その調子で全部書き出してみたと想像してごらん。
ミライくん
(1/1 - 1/2) + (1/2 - 1/3) + (1/3 - 1/4) + &dots; + (1/99 - 1/100)
……あ!先生、これ!
佐藤先生
何かに気づいたかな?
ミライくん
隣同士が消えていきます!マイナス 1/2 とプラス 1/2 が消えて、マイナス 1/3 とプラス 1/3 も消える。これ、真ん中が全部消えちゃうじゃないですか。
佐藤先生
そう、それこそが部分分数分解の最大の魔法、「ドミノ倒し」だ。
ミライくん
最後に残るのは、一番最初の 1/1 と、一番最後のマイナス 1/100 だけですね。
佐藤先生
その通り。計算してみて。
ミライくん
1 - 1/100 だから、99/100 です。……すごい、あんなに長かった式が、たった一行の引き算になっちゃった。
佐藤先生
もし部分分数分解を知らなければ、一生かけても終わらないような計算が、分解することで一瞬で終わる。これが「複雑なものをバラバラにする」ことの真の威力なんだよ。

結論:部分分数分解を理解するための3つのポイント

部分分数分解は、以下の手順を理解すれば、どんな問題でも怖くありません。

  1. 分母の形を見る
    分母が「何かと何かの掛け算」になっていたら、部分分数分解が使えるサインです。主に数列の和や積分の問題で登場します。
  2. 無理やり引き算を作る
    公式を丸暗記するのではなく、まずは 1/(小さい方) - 1/(大きい方) という形を書いてしまいます。
  3. 分子のズレを補正する
    書いた引き算を頭の中で通分し、分子にいくつ余るかを確認します。例えば分子に 3 が出てきたら、式の先頭に 1/3 をつければ完了です。

数学の公式は、あなたを苦しめるための道具ではありません。今回のように、膨大な計算をショートカットして、本質だけを取り出すための「知恵」なのです。

この考え方が身につくと、プログラミングで大量のデータを処理するアルゴリズムを考えたり、複雑な問題を細分化して解決する論理的思考力が養われます。

次は、分母が3つの掛け算になったときや、二乗が含まれるパターンの「帳尻合わせ」に挑戦してみましょうか。準備ができたら教えてくださいね。

理解度チェッククイズ!

問1: 1 / (x(x+1)) を分解すると?

問2: 1 / (x(x+3)) を分解するとき、先頭につける「帳尻合わせ」の数字は?

問3:部分分数分解の最大のメリットは何?

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