水が凍ると膨らむのはなぜ?氷が水に浮く理由と体積・密度の関係をやさしく解説!

水が固体になると体積が増えるのはなぜか

水と氷の不思議を解き明かそう!

佐藤先生
佐藤先生
ミライくん、こんにちは。今日は「どうして氷は水に浮くのか」という不思議について、化学の視点から一緒に考えてみよう。
ミライくん
ミライくん
先生、こんにちは!氷が浮くのは当たり前だと思ってましたけど、よく考えたら不思議ですよね。だって、普通は液体が固まるとギュッと縮んで重くなるイメージがあります。
佐藤先生
佐藤先生
その感覚はとても鋭いよ。実は、世の中のほとんどの物質は、液体から固体になるときに体積が小さくなって、密度が大きくなるんだ。でも、水のように「固まると膨らむ」という特別な性質を持つ物質がいくつか存在するんだよ。
(※状態変化の一般的なルールについては、こちらの記事で詳しく説明しているから、あわせて読んでみてね!)
ミライくん
ミライくん
水だけじゃないんですか?
佐藤先生
佐藤先生
そうなんだ。例えば、金属のビスマスやアンチモン, それにシリコンなども、液体から固体になるときに体積が増える仲間なんだ。これらは総称して「異常液体」と呼ばれることもあるよ。でも、僕たちの生活に一番身近なのはやっぱり水だね。水が凍って氷になると、体積が約10パーセントも増えるんだ。冬に水道管が凍って破裂しちゃうニュースを見たことはないかな?あれは、中の水が氷になって膨らんだからなんだ。
ミライくん
ミライくん
あ、見たことあります!でも、どうして水やこれらの物質は凍ると膨らむんですか?中身の粒が増えているわけじゃないですよね?
佐藤先生
佐藤先生
いい質問だね。中身、つまり水分子の数は変わらないけれど、その「並び方」が変わるのが原因なんだ。まずは、代表的な水分子の形から見ていこう。ミライくんは、水分子がどんな形をしているか知っているかな?
ミライくん
ミライくん
ええと、H2Oですよね。酸素一つに水素が二つ。なんとなく、まっすぐ並んでいる感じですか?
佐藤先生
佐藤先生
実は、まっすぐじゃないんだ。水分子は、酸素を中心に二つの水素が「くの字」に曲がってくっついているんだよ。ちょうど、ブーメランのような形をイメージしてみて。
ミライくん
ミライくん
へぇ、曲がっているんですね。
佐藤先生
佐藤先生
この「曲がっている」というのが最大のポイントなんだ。この形のせいで、水分子には「電気的な偏り」が生まれるんだよ。酸素側はマイナスの電気を帯びやすく、水素側はプラスの電気を帯びやすいという性質があるんだ。
ミライくん
ミライくん
磁石みたいな感じですか?
佐藤先生
佐藤先生
その通り!磁石のN極とS極が引き合うように、ある水分子のプラス部分(水素)は、となりの水分子のマイナス部分(酸素)と引き合ってくっつこうとするんだ。この強い結びつきを「水素結合」と呼ぶよ。
ミライくん
ミライくん
磁石の力が働いているから、水分子同士は仲良しなんですね。
佐藤先生
佐藤先生
そう。液体状態の水の中では、分子たちは元気に動き回っているんだ。お互いに引き合ってはいるけれど、熱のエネルギーでバラバラに動いているから、隙間に別の分子が入り込んだりして、かなり密集した状態になっているんだよ。
ミライくん
ミライくん
満員電車みたいな感じですか?
佐藤先生
佐藤先生
いい例えだね。みんなが自由に動いているから、隙間を埋め合ってギュウギュウに詰まっているのが液体の水なんだ。ところが、温度が下がって氷になろうとすると、様子が変わってくる。
ミライくん
ミライくん
どう変わるんですか?
佐藤先生
佐藤先生
動きがゆっくりになってくると、水分子たちは「一番安定する形」で手をつなごうとするんだ。水分子は、一粒に対して周りの四粒と手をつなごうとする性質があるんだけど、あの「ブーメラン形」のせいで、手をつなぐとどうしても「スカスカのジャングルジム」のような構造になってしまうんだよ。
ミライくん
ミライくん
ジャングルジム!
佐藤先生
佐藤先生
そう。氷の中では、分子たちが決まった距離を保って、六角形のきれいな模様を作って整列するんだ。この六角形の形を作るためには、分子同士がある程度の「間隔」を開けなきゃいけない。すると、液体のときには入り込めていた隙間が、氷になると「何もない空間」として固定されてしまうんだ。
ミライくん
ミライくん
つまり、整列したせいで、かえって無駄なスペースが増えちゃったってことですか?
佐藤先生
佐藤先生
まさにその通り!液体ではバラバラに詰まっていた分子たちが、固体になるときに「前ならえ」をして整列するんだけど、その整列した形がスカスカの構造だったんだね。だから、同じ数の分子がいても、氷の方が場所をたくさん取ることになる。
ミライくん
ミライくん
場所を取るから、体積が増えるんですね。
佐藤先生
佐藤先生
正解。そして「密度」についても考えてみよう。密度というのは、決まった大きさの中にどれだけ中身が詰まっているかという数値だね。氷は体積が増えてスカスカになった分、同じ大きさで比べると、水よりも軽くなるんだ。
ミライくん
ミライくん
密度が小さいから、水の上に浮かぶことができるんですね。
佐藤先生
佐藤先生
そうなんだよ。もし氷が沈む性質だったら、冬の池や海は底から凍りついてしまって、魚たちは住めなくなってしまう。水が固体で膨らむという性質を持っているおかげで、氷が表面で蓋の役割をして、下の水が凍るのを防いでくれているんだ。
ミライくん
ミライくん
水の形が曲がっているだけで、そんなに大事なことにつながってるなんて驚きです。
佐藤先生
佐藤先生
自然界の絶妙なバランスだよね。では、今日お話しした内容を整理して結論をまとめてみよう。

水などの物質が固体になると体積が増える理由:結論

1. 分子の形と規則的な並び
水などの物質が固体になるとき、分子や原子はバラバラな状態から、特定の「規則正しい並び(結晶構造)」に変化します。水分子の場合は、酸素と水素が「くの字型」に折れ曲がっているため、整列した際に向きを揃える必要があります。

2. 液体と固体の密度の違い
・液体のとき:分子が自由に動き回っているため、お互いの隙間に入り込むことができ、分子同士が密集した「高密度」な状態になります。
・固体のとき:分子同士が安定した角度で手をつなごうとするため、内部に大きな隙間(空間)を抱えた「スカスカの構造」になります。

3. 体積と密度の変化
・体積:固体になると内部に「何もない空間」が固定されるため、液体のときよりも全体の体積が増加します(水の氷結時は約10パーセント増加)。
・密度:同じ重さでも体積が大きくなるため、単位あたりの重さである「密度」は小さくなります。このため、氷は水に浮くのです。

佐藤先生
佐藤先生
ミライくん、これで水と氷の秘密がスッキリ理解できたかな?
ミライくん
ミライくん
はい!分子の形が「くの字」だから、きれいに並ぼうとすると隙間ができちゃうんですね。よくわかりました!

\確認チェックテスト/

問1:水分子の形として正しいものはどれ?

問2:氷が水よりも体積が大きくなるのはなぜ?

問3:水以外に、凍ると体積が増える物質の例はどれ?

理科の不思議をもっと知りたいなら!

ミライ・キャリアアカデミーでは、一人ひとりの「なぜ?」を大切に、
基礎からじっくり学べる個別指導を行っています。

「勉強が苦手...」から「わかる!楽しい!」へ。無料体験授業も受付中!