古文の主語がわからない!省略された「誰が」をあぶり出す3つの魔法のコツ
定期テスト直前の自習室:消えた主語の謎
佐藤先生、もう無理です。国語のテスト勉強で古文を読んでいるんですけど、これ、日本語のはずなのに全然意味がわかりません。
おや、ミライくん。そんなに頭を抱えてどうしたんですか。どのあたりで苦戦しているんでしょう。
全部なんですけど、特に「誰が何をしたか」が途中で分からなくなるんです。さっきまでお姫様が泣いていたと思ったら、次の行では急に家来が怒り出したりして。主語が書いていないから、誰の行動なのか迷子になっちゃうんです。
なるほど、それは古文を勉強する誰もが最初にぶつかる壁ですね。実は、古文を書いた昔の人たちは、「言わなくてもわかるでしょ」という部分はどんどん省略してしまう癖があったんです。
省略しすぎですよ。今の僕たちには全然わからないのに。
そうですよね。でも、実は古文の中には、消えた主語をあぶり出すための「魔法のヒント」が隠されているんです。今日はそれを見つけるコツを伝授しましょう。
敬語は身分を教えるサーチライト
魔法のヒント?そんな便利なものがあるなら早く教えてください。
一番強力なヒントは「敬語」です。古文では、動作をする人が偉い人かそうでないかによって、使われる言葉がはっきりと分かれます。
敬語って、あの「給(たま)ふ」とかですか。
その通り。「給ふ」という言葉がついている動作は、必ず「身分が高い人」の行動です。例えば「笑ひ給ふ」と書いてあれば、それはお姫様や殿様が笑っているということで、家来が笑っているわけではありません。
なるほど。言葉の後ろを見て、尊敬の言葉がついていたら「偉い人の仕業だ」って特定できるんですね。
そうなんです。逆に、自分が相手に対してへりくだる「謙譲語」が使われていれば、それは身分の低い人が高い人に対して何かをしている、ということが分かります。敬語は、誰が誰に対してアクションを起こしているかを示すサーチライトのようなものなんですよ。
助詞の「を・に・が・ど・ば」に注目
敬語はなんとなく分かりました。でも、偉い人同士が喋っているときはどうすればいいんですか。どっちも「給ふ」になっちゃいますよね。
鋭いですね。そんなときに役立つのが、言葉と言葉をつなぐ「助詞」という小さなパーツです。特に「を・に・が・ど・ば」の5つに注目してみてください。
を、に、が、ど、ば……。呪文みたいですね。
覚え方は「鬼がどばっと出る」ですよ。これらの言葉が文章の途中に出てきたとき、その前後で「主語が入れ替わる」確率が非常に高いんです。
主語が入れ替わる?
例えば、「お姫様が泣きければ(ば)、家来が驚いた」という文章があったとします。この「ば」の前後でお姫様から家来へと主語がバトンタッチされていますよね。古文でも同じで、これらの助詞が出てきたら「あ、ここで主語が変わるかも」と身構えるだけで、格段に読みやすくなります。
逆に言えば、その「鬼がどばっと」が出てこない間は、ずっと同じ人が主語のままってことですか。
基本的にはそうです。一度主語が決まれば、これらの助詞が出てくるまでは、その人がずっと物語の主役として動いていると考えて大丈夫です。
動作の連続と「て」のルール
じゃあ、文章が「て」でつながっているときはどうなんですか。
良い質問です。「て」や「して」でつながっているときは、先ほどとは逆で「主語は変わらない」というルールがあります。「起きて、食べて、出かけた」と言えば、全部同じ人の行動ですよね。
あ、それなら分かりやすいです。
古文を読んでいて、主語が分からなくなったら、まずはその一文を遡って、一番近くにある名前や敬語を探してみてください。そこから「て」でつながっている間は、その人がずっと主語のままなんです。
敬語で身分を絞り込んで、「鬼がどばっと」で入れ替わりをチェックして、「て」でつながりを追いかける。これなら僕でもできる気がしてきました。
その調子です。古文はパズルと同じ。ルールさえ分かれば、隠れた主語が浮き上がって見えてきますよ。
結論:古文の主語を見失わないための三つの鉄則
古文で主語を見つけるためには、やみくもに訳すのではなく、以下の三つのポイントを順番に確認することが重要です。
- 敬語の有無を確認する
動作の言葉に「給ふ(たまふ)」などの尊敬語がついていれば、主語は身分の高い人です。ついていなければ、身分の低い人や動物などが主語である可能性が高まります。 - 接続助詞「を・に・が・ど・ば」をマークする
これらの言葉(鬼がどばっと)が文章の間に出てきたら、主語が交代するサインです。その前後で「誰から誰に」話が変わったのかを意識しましょう。 - 「て」でつながる動作を追いかける
「て」や「して」で文章がつながっている間は、原則として主語は変わりません。前の動作の主語をそのまま引き継いで読み進めてください。
結論として、古文の主語は「敬語で人物のランクを特定し、特定の助詞で入れ替わりを察知する」ことで、書かれていなくても明確に見つけ出すことができます。
このルールを意識してもう一度教科書を開いてみてください。きっと、お姫様や家来たちが、誰が何をしているのかはっきりと動き出すはずです。テスト、頑張ってくださいね。
先生、ありがとうございます。もう迷子にならないで読めそうです!
チェック問題
問1:動作のあとに「給ふ(たまふ)」がついている場合、その主語はどんな人?
問2:「鬼がどばっと」の助詞(を・に・が・ど・ば)が文章の途中で出てきたら、主語はどうなることが多い?
問3:動作が「~て、~して、」とつながっているとき、主語の関係はどうなる?
