シダ植物とコケ植物の違いとは?共通点や見分け方をプロがわかりやすく解説
💡 佐藤先生とミライくんの特別授業:シダ植物とコケ植物の違いをマスターしよう!
ミライくん、こんにちは。今日から新しく、植物の分類について一緒に勉強していこうね。
佐藤先生、こんにちは。植物の分類ですか……。理科の暗記って、言葉が難しくて、どれがどれだかすぐに分からなくなっちゃうんですよね。
確かに、理科の教科書に出てくる言葉は普段使わないものが多いから、難しく感じるよね。でも、仕組みや理由が分かると、無理に暗記しなくても自然と覚えられるようになるよ。今回は「シダ植物」と「コケ植物」の2つのグループについて、どこが同じで、どこが違うのかをすっきり整理していこう。
シダ植物とコケ植物ですか。どっちも日陰のじめじめした場所に生えているイメージがあります。
大正解。そのイメージはとても大事だよ。どちらも湿った場所を好むという点では共通しているんだ。じゃあ、まずはミライくん、植物が生きるために絶対に必要なものって何だと思う。
ええと、やっぱり水ですか。人間も水を飲まないと生きていけないですし。
その通り。植物にとっても水は命綱んだ。普段、私たちがよく見るアサガオやヒマワリ、あるいは大きな桜の木なんかは、どうやって水を吸い上げているかな。
地面の中に根っこを伸ばして、そこから水を吸っていますよね。
そうだね。根から吸い上げた水は、茎の中にある特別なストローのような管を通って、葉っぱの先まで運ばれるんだ。この、水や栄養を運ぶためのストローの束のことを、理科の言葉で「維管束」と言うんだよ。
いかんそく……。また難しい言葉が出てきましたね。
漢字で書くと、維持の「維」に、管(くだ)の「管」、そして束(たば)と書くんだ。「繊維でできた管の束」という意味だね。まずは、植物の体の中には「水を運ぶ専用のストローの束があるんだな」と思ってくれれば大丈夫だよ。
なるほど、ストローの束ですね。それならイメージが湧きます。
よし、ここからが本題だよ。実は、シダ植物とコケ植物の決定的な違いの1つが、この「ストローの束(維管束)」があるかないかなんだ。
えっ、ストローがない植物なんてあるんですか。どうやって水を吸うんですか。
そこが面白いところだよね。まず「シダ植物」の方は、ちゃんと体の中にストローの束(維管束)を持っているんだ。だから、地面にしっかり根を張って、そこから水を吸い上げて上の方まで運ぶことができる。
じゃあ、コケ植物の方はどうなんですか。
「コケ植物」には、なんとこのストローの束(維管束)がないんだよ。
ええ。ストローがないなら、根っこから水を吸い上げることができないじゃないですか。
その通り。だからコケ植物は、根っこから水を吸うのをあきらめたんだ。その代わりに、体の表面全体から直接、雨水や空気中の水分をスポンジのように吸収しているんだよ。
体の表面全体で吸うんですか。だからコケ植物って、いつもじめじめした岩の上とか、湿った地面に張り付くように生えているんですね。
素晴らしい。まさにその通りだよ。もしコケ植物がカラカラに乾燥した砂漠や、日の当たる乾いた場所に生えていたら、すぐに水分がなくなって枯れてしまうよね。ストローがないから、遠くから水を引っ張ってくることができないんだ。だから、常に水が周りにある場所にしか生きられないというわけなんだよ。
なるほど。コケ植物が小さくて地面にペタッとくっついている理由が、ようやく分かりました。ストローがないから、背を高くすることもできないんですね。
その気づきも満点だね。上の方まで水を運ぶストローがないから、コケ植物は大きくなれないんだ。数センチメートルくらいの小さな体で寄り添って生きている。一方で、シダ植物はストローがあるから、コケ植物に比べるとずっと大きく育つことができるんだよ。大昔の地球には、木のように巨大なシダ植物がたくさん生い茂っていた時代もあったくらいなんだ。
シダ植物、すごいですね。でも先生、コケの図鑑とかを見ると、根っこみたいなものが生えているのを見たことがある気がするんですけど、あれは根っこじゃないんですか。
よく知っているね。確かに、コケ植物を引っこ抜いてみると、根っのような細い毛のようなものがたくさんついている。でも、これは理科では「仮根(かこん)」と呼んで、本物の根っこではないと区別されているんだ。仮の根っこ、という意味だね。
仮の根っこ。本物と何が違うんですか。
本物の根っこは、さっき言ったように「水を吸い上げるためのストロー」がついている。でも、コケ植物の仮根にはストローが通っていないんだ。じゃあ、何のためにあると思う。
水を吸わないなら……。風で吹き飛ばされないように、地面にしがみつくためですか。
まさにその通り。素晴らしい勘の良さだね。仮根の役割は、ただ自分の体を岩や地面に「固定する」ことだけなんだ。だから、水を吸う機能は持っていない。ここがシダ植物の本物の根との大きな違いだよ。
なるほど。シダ植物には本物の「根・茎・葉」の区別があってストローもあるけれど、コケ植物にはそれらの区別がなくて、ストローもないし、根っこに見えるのはただの固定用の飾りみたいなものなんですね。
その通り。体の仕組みについては、これで完璧に整理できたね。
でも先生、シダ植物とコケ植物って、どうしていつもセットで教科書に出てくるんですか。違いがあるのは分かりましたけど、共通点もあるんですよね。
そうだね。最初に乗ってくれた「じめじめした場所に生えている」というのも共通点だけど、もっと大事な共通点があるんだ。ミライくん、アサガオやヒマワリがどうやって仲間を増やすか知っているかな。
それは分かります。花が咲いたあとに「種(たね)」ができて、それを植えるとまた新しい芽が出ますよね。
一般的に私たちがよく知っている植物は、種を作って仲間を増やす「種子植物」というグループなんだ。でも、今日勉強しているシダ植物とコケ植物は、どちらも「花を咲かせない」し、「種を作らない」んだよ。
えっ。花も咲かないし、種も作らないんですか。じゃあ、どうやって子孫を増やすんですか。
種(たね)の代わりに、「胞子(ほうし)」という、目に見えないくらい小さな粒を飛ばして増えるんだ。
ほうし……。理科の実験とかで聞いたことがあるような気がします。
シダ植物の葉っぱの裏側をめくってみると、茶色いブツブツがたくさんついているのを見たことはないかな。あれは「胞子嚢(ほうしのう)」といって、中にたくさんの胞子が詰まっているカプセルなんだ。そのカプセルが弾けて、胞子が風にのって遠くまで飛んでいく。そして、湿った地面にたどり着くと、そこから新しい芽が出てくるんだよ。
コケ植物も同じように胞子で増えるんですか。
そうだよ。コケ植物も、時期になると体から細いお芋のような、あるいはマッチ棒のような突起をピョコッと伸ばすんだ。その先端にある袋の中に胞子が入っていて、それが風で散らばることで仲間を増やしていくんだ。
なるほど。どちらも「花を咲かせず、胞子で増える」という点はまったく同じなんですね。だから教科書でも同じ仲間として並んで出てくるんだ。
その通り。じゃあ、ここでちょっとしたクイズを出してみよう。胞子と種(たね)って、何が違うと思う。
ええと……。どっちもそこから新しい植物が育つんだから、同じようなものじゃないんですか。大きさの違いとかですか。
大きさも全然違うけれど、一番の違いは「お弁当がついているかどうか」なんだ。
お弁当ですか。植物がお弁当を持っているんですか。
そう考えると楽しいでしょう。種(たね)の中には、これから芽が出て育つための栄養分(お弁当)がたっぷり詰まっているんだ。だから、多少乾いた土の上に落ちても、自分の力で根を出して育ち始めることができる。でも、胞子にはお弁当がついていないんだよ。
お弁当なしですか。それは過酷ですね。
そうなんだ。胞子は本当に小さな細胞の集まりで、栄養をほとんど持っていない。だから、飛んでいった先がカラカラに乾いていたら、栄養がないからすぐに死んでしまうんだ。落ちた場所がたまたま「水分がたっぷりある、じめじめした場所」じゃないと、絶対に育つことができないんだよ。
あ。だからシダ植物もコケ植物も、水分が多い日陰や湿地にしか生えられないんですね。
その通り。胞子というお弁当なしの手段で増えるからこそ、どうしても水の近くにいる必要があるんだ。これで、彼らが日陰の湿った場所を好む理由が、仕組みの面からもつながったね。
すごいです。全部の理由がつながりました。ストロー(維管束)があるかないかという体の仕組みの違いと、胞子で増えるから湿った場所が必要だという共通点。これなら丸暗記しなくても忘れません。
よく理解してくれたね、ミライくん。教科書にはよく、シダ植物の代表として「イヌワラビ」や「ゼンマイ」、「スギナ」などが載っていて、コケ植物の代表として「ゼニゴケ」や「スギゴケ」が載っている。これらも、名前の最後に「ゴケ」とついていればコケ植物だし、ワラビやゼンマイのように山菜として食べられるような、ちょっと大きめの草はシダ植物だと見分ければ簡単だよ。
分かりました。テストに出てきても、もうバッチリ見分けられそうです。
では最後に、今日勉強した内容を忘れないように、分かりやすく結論としてまとめておこうね。これさえ頭に入れておけば、定期テストの問題も迷わずに解けるようになるよ。
お願いします。
それでは、今回の内容のまとめだよ。
シダ植物とコケ植物は、どちらも日陰の湿った場所に生息する植物ですが、体のつくりに大きな違いがあります。
- 花を咲かせない。
- 種子(たね)を作らず、胞子(ほうし)によって仲間を増やす。
- 胞子には栄養分が含まれていないため、育つために水分を多く必要とし、どちらも湿った場所を好む。
シダ植物
- 体の中に、水や栄養分を運ぶ管の束である「維管束(ストローの束)」がある。
- 「根・茎・葉」の区別がはっきりしており、本物の根から水分を吸収する。
- 維管束があるため、コケ植物に比べて体を大きく成長させることができる。
- 代表例:イヌワラビ、ゼンマイ、スギナ
コケ植物
- 体の中に「維管束(ストローの束)」がない。
- 「根・茎・葉」の区別がなく、体の表面全体から直接水分を吸収する。
- 根のように見えるものは「仮根(かこん)」と呼ばれ、地表に体を固定する役割しかなく、水を吸う機能はない。
- 水分を遠くに運ぶ仕組みがないため、大きく育つことができず、地表に小さく密集して生きる。
- 代表例:ゼニゴケ、スギゴケ
【第1問】 シダ植物とコケ植物に共通する「仲間を増やすためのつくり」はどれか?
どちらも花を咲かせず、種子を作らない植物です。「胞子」を飛ばして仲間を増やします!
【第2問】 コケ植物に備わっている、地面や岩に体を固定するためだけの根のようなつくりを何というか?
コケ植物には本物の根がなく、ストロー(維管束)も通っていません。体を固定するだけの「仮根」があります。
【第3問】 次のうち、「シダ植物」に分類される植物はどれか?
「〜ゴケ」とつくものはコケ植物です。山菜としても馴染みのある「ゼンマイ」は、本物の根・茎・葉をもつシダ植物です!
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