なぜ15世紀の人は命懸けで海へ出たのか?大航海時代を支えた「コショウ」と「野望」の物語
なぜ15世紀のヨーロッパ人は、命の危険を冒してまで海へ乗り出したのか?
ミライくん、今日は15世紀のヨーロッパについて考えてみよう。コロンブスやマゼランといった冒険家たちが、木造の小さな船で荒れ狂う海に飛び出していった「大航海時代」のお話だよ。
あ、それ知ってる!でも、正直言って信じられないんだよね。スマホもGPSもない時代に、わざわざ命を懸けてまで遠くの海に行くなんて。僕なら絶対に嫌だよ。
ははは、現代の感覚だとそうだよね。当時は「海の果てには巨大な怪物がいる」とか「世界の端っこは滝になっていて落ちる」なんて信じられていた時代だから、今の宇宙旅行よりもずっと怖かったはずなんだ。
そんなに怖いのに、なんでみんなインドを目指したの?インドに何があったの?
結論から言うと、当時のヨーロッパ人にとってインドや東南アジアは「宝の山」に見えていたんだ。そのお宝の正体、何だと思う?金銀財宝かな?
うーん、やっぱり黄金とかダイヤモンド?
もちろん金も欲しかったけれど、それ以上に彼らが喉から手が出るほど欲しがったものがある。それは「香辛料(スパイス)」だよ。
えっ、スパイス?コショウとかシナモンのこと?そんなもののために命を懸けたの?
今の僕たちからすれば信じられないよね。スーパーに行けば数百円で買えるものだ。でも、当時のヨーロッパでは、コショウの粒は「銀と同じ重さ」で取引されるくらい価値があったんだよ。
銀と同じ重さ!?高すぎるよ!なんでそんなに価値があったの?
理由はいくつかあるけれど、一番は「肉をおいしく食べるため」だね。当時は冷蔵庫がないから、お肉はすぐに傷んで臭くなってしまう。その臭みを消して、おいしく長期保存するために、スパイスは魔法の薬のような存在だったんだ。薬としても重宝されていたしね。
なるほど。でも、そんなに高いなら自分たちで作ればよかったのに。
それができなかったんだ。コショウやクローブといったスパイスは、インドや東南アジアのような暑い場所でしか育たない。ヨーロッパの寒い気候では手に入らない「超高級ブランド品」だったんだよ。
じゃあ、陸路で買いに行けばよかったんじゃない?わざわざ危険な海を通らなくても。
いいところに気づいたね!実はそれまでは陸路で運ばれていたんだ。でも、15世紀になると大きな問題が発生した。ヨーロッパとインドの間にある中東のあたりを、強力なイスラム帝国である「オスマン帝国」が支配するようになったんだ。
通せんぼされちゃったの?
そう。オスマン帝国は、ヨーロッパの商人たちが通るたびに高い税金を取るようになった。さらに、途中にいるイタリアの商人たちも仲介料をたっぷり取る。その結果、ヨーロッパの端っこにあるポルトガルやスペインに届く頃には、値段が元の何十倍にも跳ね上がっていたんだ。
それはひどい。ボッタクリじゃないか!
だから、ポルトガルやスペインの人たちは考えたんだ。「陸がダメなら、海から直接インドに行けばいいじゃないか。そうすれば、イスラム帝国に税金を払わなくて済むし、自分たちがスパイスの利益を独り占めできるぞ!」ってね。
あ、それが「海へ乗り出す」きっかけなんだね。
その通り。動機はズバリ「お金」だよ。直接インドに行ければ、一攫千金が狙える。冒険家たちにとっても、王様たちにとっても、これは巨大なビジネスチャンスだったんだ。
でも先生、お金のためだけに死ぬかもしれない海に行くかなぁ。もっと別の理由もあったんじゃない?
ミライくんは鋭いな。実はもう一つ、当時のヨーロッパ人にとって外せない情熱があった。それは「キリスト教を広めること」だよ。
宗教?
そう。さっき言ったオスマン帝国などのイスラム勢力が強くなっていたから、ヨーロッパのキリスト教徒たちは焦っていたんだ。「このままでは世界がイスラム教ばかりになってしまう。海の向こうにいるかもしれない未開の人たちに、自分たちの教えを広めなきゃ!」という使命感に燃えていたんだね。
お金と宗教か。パワーがすごいね。
さらに、タイミングも良かった。当時は科学技術が少しずつ進歩していて、遠くまで航海できる丈夫な船(キャラベル船)が作られるようになったり、中国から伝わった「羅針盤(コンパス)」が改良されたりしていた。これなら行けるかもしれない、という自信が生まれていたんだ。
道具が揃って、やる気も満々。それで一気に海へ飛び出したんだね。
その結果、コロンブスはアメリカ大陸に到達し、バスコ・ダ・ガマはついにインド航路を発見した。世界が一気につながった瞬間だね。ただ、その裏では現地の人が支配されたりといった悲しい歴史も始まるんだけど。
うーん、教科書で見る「大航海時代」の裏には、コショウ一粒にかける執念があったんだね。よくわかったよ!
それは良かった。では、今日お話しした内容を整理して、結論をまとめてみよう。
15世紀のヨーロッパ人が命懸けでインドを目指した理由:まとめ
1.超高級品だった「香辛料(スパイス)」の直接取引
冷蔵庫がない時代、肉の保存や消臭に欠かせないコショウなどのスパイスは、銀と同等に扱われるほど高価でした。これらを産地であるインドから直接買い付けることで、莫大な利益を得ることが最大の目的でした。
2.陸路を支配されたことによる「新ルート」の必要性
当時、陸上の交易ルートは強力なオスマン帝国(イスラム勢力)に支配されており、高い通行税を課せられていました。この関税を回避し、イタリアの商人による仲介料を省くために、誰も通ったことのない海上ルートを開拓する必要があったのです。
3.キリスト教の布教と科学技術の進歩
イスラム勢力の拡大に対抗するため、キリスト教を世界中に広めたいという強い宗教的情熱がありました。これに加えて、羅針盤の普及や造船技術の向上という科学的な裏付けが整ったことで、未知の海域への挑戦が可能となりました。
結論として、大航海時代とは、スパイスによる「経済的利益」、イスラム勢力への「対抗意識」、および「航海技術の進歩」が一つに重なり、ヨーロッパが世界へ膨張を始めた歴史的エネルギーの爆発だったと言えます。
理解度チェック!全3問
Q1. 当時、銀と同じくらいの価値があると言われたスパイスの代表は?
Q2. 陸路の貿易ルートを支配し、高い税金を取った帝国は?
Q3. 海上ルートの開拓が可能になった理由として正しいものは?
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