公式丸暗記は不要!接線の方程式の求め方をパズル感覚でわかりやすく解説
数学が苦手でも大丈夫!接線の方程式の求め方をサクッと攻略しよう
ミライくん
「接線って、言葉は聞いたことあるけど、具体的にどうやって計算するのか全然イメージ湧かないなぁ……」
佐藤先生
佐藤先生は、机の上のノートを見つめて頭を抱えているミライくんに微笑みかけました。
「どうしたの、ミライくん。数学のグラフの問題で手が止まっているみたいだね」
「どうしたの、ミライくん。数学のグラフの問題で手が止まっているみたいだね」
ミライくん
「あ、佐藤先生。そうなんです。関数とかグラフとか、ただでさえ苦手なのに、今度は『接線の方程式を求めなさい』って言われて。接線って、ただグラフに触れてるだけの線ですよね? 方程式って言われると、どこから手を付けたらいいのかさっぱりで」
佐藤先生
「なるほどね。確かに『接線の方程式』って言われると、なんだかすごく難しい公式を覚えないといけない気がするよね。でも、安心して。実はミライくんがすでに知っている『ある2つの情報』さえあれば、接線の方程式はあっという間に作れちゃうんだ」
ミライくん
「えっ、僕がもう知っていることですか?」
佐藤先生
「そうだよ。まずは『接線』がどんな線なのか、頭の中でイメージをはっきりさせておこう。ここに綺麗な丸、つまり円があるとするよね。その円の外側から、定規をそっと近づけていって、円のフチにたった1つの点だけでギリギリ触れるように直線を引く。この直線のことを接線って言うんだ。そして、その触れているたった1つの点のことを『接点』と呼ぶよ。ここまでは大丈夫かな?」
ミライくん
「はい、それは分かります! 円の横をすれすれで通り抜けていく直線ですよね。でも、今回は円じゃなくて、あのフチがぐにゃっと曲がった2次関数のグラフなんです。放物線ってやつです」
佐藤先生
「素晴らしい、形をよく覚えているね。放物線でも考え方はまったく同じだよ。カーブしているグラフのフチに、外側から直線をそっと当てて、1点だけで触れ合うように引いた直線。それが放物線の接線だ。そして、今回ミライくんが解きたい『接線の方程式を求める』というのは、言い換えれば『その接線の直線の式を完成させなさい』という意味なんだよ」
ミライくん
「直線の式……。あ、直線の式なら知ってます! 中学2年生のときにやった『y = ax + b』ですよね!」
佐藤先生
「大正解! よく覚えていたね。接線といっても、見た目はただのまっすぐな直線だから、最終的なゴールの形はミライくんの言う通り y = ax + b という直線の式になるんだ。つまり、この式の『a』と『b』の数字が何になるかを突き止めるのが、今回のミライくんの任務というわけだね」
ミライくん
「そうか、接線っていう新しい名前がついているから難しく感じたけど、正体はただの一次関数の直線なんですね。そう考えると、少し気持ちが楽になりました。でも、その『a』と『b』はどうやって見つければいいんですか?」
佐藤先生
「それを今から一緒に紐解いていこう。まず、y = ax + b という式の中で、a と b がそれぞれどんな意味を持っていたか覚えているかい?」
ミライくん
「うーん……。a は確か、グラフの傾き……ですよね? 右に1進んだら上にいくつ上がるか、みたいな。で、b は……何でしたっけ。切片、だっけ?」
佐藤先生
「その通り、完璧だよ! a は直線の『傾き』で、b は『切片』、つまり y 軸と交わる場所のことだね。直線の方程式を完成させるためには、この『傾き』と『切片』が分かればいい。ただ、高校の数学や、ちょっと応用的な問題になると、この『傾き』の求め方に強力な武器を使うことになるんだ」
ミライくん
「強力な武器? なんかカッコいいですね」
佐藤先生
「それは『微分』という武器なんだけど、今回は中学生のミライくんでも絶対に分かる、もっと直感的でシンプルな方法で説明するね。実は、問題文には必ずヒントが隠されているんだ。例えば、こんな問題があるとしよう」
放物線 y = x² のグラフの上にある、点 (2, 4) における接線の方程式を求めなさい。
「これが、よくある問題のパターンだ。ミライくん、この問題文を見て、さっき先生が言った『接点』がどこか分かるかい?」
放物線 y = x² のグラフの上にある、点 (2, 4) における接線の方程式を求めなさい。
「これが、よくある問題のパターンだ。ミライくん、この問題文を見て、さっき先生が言った『接点』がどこか分かるかい?」
ミライくん
「ええと、『点 (2, 4) における接線』って書いてあるから、グラフと直線が触れ合っている場所は、点 (2, 4) ですか?」
佐藤先生
「そう、大正解! その点 (2, 4) こそが『接点』だ。これで、僕たちはものすごく重要な情報をすでに1つ手に入れたことになる。接線は、絶対にこの点 (2, 4) を通り抜けるということだ」
ミライくん
「なるほど。接点なんだから、当然その点を通りますよね。でも、それだけで『a』と『b』が分かるんですか? 通る点が1つ分かっただけじゃ、直線ってぐるぐる回転しちゃって、どの傾きにすればいいか決まらない気がします」
佐藤先生
「素晴らしい洞察力だね、ミライくん。まさにその通り。点 (2, 4) を通る直線なんて、世の中に無限に引けてしまう。だから、もう1つの情報である『傾き a』をきっちり決定してあげる必要があるんだ。ここで、少し不思議な手品のような考え方を導入するよ。今、僕たちが知りたいのは、放物線 y = x² にぴったり張り付いている直線の傾きだ。この放物線と直線の関係を、数式で表すとどうなると思う?」
ミライくん
「数式で表す……? グラフが交わるとか、触れるとかを計算するのって、2つの式を合体させるんでしたっけ」
佐藤先生
「お、よく知っているね! 2つのグラフの交点を求めるときは、2つの式をイコールで結んで『連立方程式』にするんだったよね。今回の接線 y = ax + b と、放物線 y = x² も、同じようにイコールで結んでみよう。すると、こんな式ができる」
x² = ax + b
「これを全部左側に集めて、きれいに整理してみるよ。右側にある ax と b を左側に引っ越し(移項)させると、どうなるかな?」
x² = ax + b
「これを全部左側に集めて、きれいに整理してみるよ。右側にある ax と b を左側に引っ越し(移項)させると、どうなるかな?」
ミライくん
「えっと、符号が変わるから…… x² - ax - b = 0 になります!」
佐藤先生
「その通り。これは、みんながよく見る『2次方程式』の形だね。普通、放物線と直線が2つの場所で交わっているときは、この2次方程式を解くと答え(x の値)が2つ出てくるんだ。グラフが2箇所で交わっているからね。でも、今回の直線はただの直線じゃない。『接線』だ。接線って、グラフと何箇所で交わっているんだっけ?」
ミライくん
「あ! さっき先生が言しました。『たった1つの点だけでギリギリ触れる』って。だから、1箇所だけです!」
佐藤先生
「そうだね! 1箇所だけということは、この2次方程式を解いたときに出てくる答えも、たった1つだけじゃないとおかしいんだ。数学では、答えが1つだけ重なって出てくるような2次方程式の解のことを『重解(じゅうかい)』って呼ぶんだよ」
ミライくん
「重解……。聞いたことあります。答えが1つだけになる特別なパターンですね。でも、それが傾き a とどう関係してくるんですか?」
佐藤先生
「ここからが面白いところだよ。答えがたった1つ、しかもその答えの場所はすでに分かっているんだ。さっき、接点の x 座標は何番だった?」
ミライくん
「ええと、接点は (2, 4) だから、 x は 2 です!」
佐藤先生
「そう! つまり、この x² - ax - b = 0 という2次方程式を解くと、答えは絶対に『x = 2』という1つだけの重解にならなきゃいけないんだ。じゃあ、逆に考えてみよう。答えが x = 2 の重解になるような2次方程式って、因数分解したときにどんな形をしていたか覚えているかい?」
ミライくん
「うーん、答えが 2 になる因数分解……。あ、(x - 2) = 0 だと答えは 2 になります。でも重解だから……あ、2乗にするんでしたっけ? (x - 2)² = 0 ですか?」
佐藤先生
「完璧だ! ミライくん、ものすごく冴えているよ! その通り、答えが x = 2 の重解になる2次方程式は、絶対に (x - 2)² = 0 という形になるんだ。じゃあ、この (x - 2)² をカッコを外してバラバラに展開してみてくれるかい?」
ミライくん
「えっと、公式を使って……最初の2乗が x² で、真ん中が2倍してかけて -4x で、最後が2乗だからプラス 4 です。だから、x² - 4x + 4 = 0 になります!」
佐藤先生
「よくできたね。さあ、これで準備はすべて整った。僕たちがさっき作った、接線の文字が入った式をもう一度見てみよう」
x² - ax - b = 0
「そして、今ミライくんが接点の情報から導き出した、絶対にこうなるはずの式がこれだ」
x² - 4x + 4 = 0
「この2つの式は、全く同じ意味を表しているはずなんだ。見比べてみてごらん。a と b の場所にある数字が、何になっていればぴったり重なるかな?」
x² - ax - b = 0
「そして、今ミライくんが接点の情報から導き出した、絶対にこうなるはずの式がこれだ」
x² - 4x + 4 = 0
「この2つの式は、全く同じ意味を表しているはずなんだ。見比べてみてごらん。a と b の場所にある数字が、何になっていればぴったり重なるかな?」
ミライくん
「ええと……。x² の後ろにある -ax の部分が -4x になっているから、a は 4 です! それから、最後の -b の部分が +4 になっているから……あ、マイナスがついているから、b は -4 ですか?」
佐藤先生
「その通り! つまり、傾き a は 4 で、切片 b は -4 だということが分かったんだ。これを最初の直線の式 y = ax + b に当てはめてごらん」
ミライくん
「y = 4x - 4 !! 先生、これですか!?」
佐藤先生
「大正解! これが、点 (2, 4) における放物線 y = x² の接線の方程式だよ。どうだい? 難しそうな数式を使わなくても、接点の x 座標から逆算して、因数分解の形を作っちゃえば、パズルのように答えが浮き出てきただろう?」
ミライくん
「本当だ! 因数分解の展開なら僕でもできるし、これなら『接線の方程式』って言われても怖くないです! 2次方程式が重解になるっていう性質を使うんですね。でも先生、今回は接点が (2, 4) って最初に分かっていたから作れましたけど、もし接点の x 座標が違う数字だったらどうなるんですか?」
佐藤先生
「良い質問だね。じゃあ、練習として別の数字でもやってみよう。同じ放物線 y = x² で、今度は点 (-1, 1) で接する接線の方程式を考えてみようか。やり方はさっきと全く同じだよ。まず、接線の式を y = ax + b と置いて、放物線の式と合体させる。式を左側に集めるところまでは同じだね」
x² - ax - b = 0
「ここからがミライくんの出番だ。今回の接点の x 座標はいくつだい?」
x² - ax - b = 0
「ここからがミライくんの出番だ。今回の接点の x 座標はいくつだい?」
ミライくん
「今回は -1 です!」
佐藤先生
「そうだね。ということは、この2次方程式を解いたときの答えは、絶対に x = -1 という重解にならなきゃいけない。じゃあ、答えが x = -1 の重解になるような、カッコの2乗の形はどうなるかな?」
ミライくん
「ええと、答えがマイナスになるってことは、カッコの中はプラスになるから…… (x + 1)² = 0 です!」
佐藤先生
「その通り! じゃあ、その (x + 1)² = 0 を展開してみて」
ミライくん
「x² + 2x + 1 = 0 です!」
佐藤先生
「よし、じゃあ最初の文字が入った式 x² - ax - b = 0 と、今作ってくれた x² + 2x + 1 = 0 を見比べてみよう。-a の部分が +2 になっていて、-b の部分が +1 になっているね。ということは、a と b はそれぞれ何番になる?」
ミライくん
「符号に気をつけると、-a = 2 だから a = -2 で、-b = 1 だから b = -1 です! だから、接線の方程式は y = -2x - 1 になります!」
佐藤先生
「大正解! 完璧だよ、ミライくん。もう接線の方程式の求め方はバッチリマスターできたね」
ミライくん
「すごい、本当に解けちゃいました! 接線の問題って、なんだかすごく遠い世界のものだと思っていましたけど、中学生の僕たちがやっている因数分解や2次方程式と地続きで繋がっていたんですね。これならテストに出てきてもスラスラ解けそうです!」
佐藤先生
「そう言ってもらえると先生も嬉しいよ。数学の難しい言葉に騙されずに、グラフの形と、それが数式でどういう意味になるのかをイメージできれば、どんな問題でも必ず解くヒントが見つかるんだ。これからもその調子で頑張ろうね」
ミライくん
「はい! 先生、ありがとうございました!」
結論
接線の方程式を求めるときは、以下の3つのステップを順番に行うことで、誰でも簡単に直線の式を導き出すことができます。
接線の方程式を求める3ステップ
-
接線の基本の形を設定する
接線も「まっすぐな直線」であるため、求める式を一次関数の基本形である y = ax + b(a は傾き、b は切片)とおきます。 -
放物線の式と合体させて、左側に集める
放物線の式(例:y = x²)と接線の式(y = ax + b)をイコールで結び、すべての項を左辺に集めて「x² - ax - b = 0」という2次方程式の形を作ります。 -
接点の x 座標から「重解の式」を作って見比べる
接線はグラフと1箇所だけで触れ合うため、この2次方程式は必ず「接点の x 座標」を答えに持つ重解(カッコの2乗の形)になります。
例えば、接点の x 座標が 2 であれば (x - 2)² = 0、-1 であれば (x + 1)² = 0 を作り、それを展開した式と、ステップ2で作った式を見比べることで、おのずと a と b の数字が決定します。
この「重解を利用した逆算」を理解しておけば、難しい公式を丸暗記しなくても、接線の方程式を確実に、かつ明確に解き明かすことができます。
第1問: 放物線 y = x² 上の、点(3, 9)における接線の方程式を求めるとき、重解から導き出す最初のカッコの2乗の形はどうなる?
第2問: 2次方程式 x² - ax - b = 0 と x² - 6x + 9 = 0 を見比べたとき、傾き a の値はいくつになる?
第3問: 放物線 y = x² 上の、点(-2, 4)における接線の方程式として正しいものはどれ?
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