【数学】点と直線の距離の公式を証明!相似を使った「丸暗記しない」考え方
放課後の教室で、ミライくんが教科書の隅にある複雑な数式を見つめて固まっています。
目次
公式の見た目に圧倒されないコツ
ミライくん
佐藤先生、この「点と直線の距離の公式」って、見た目からして強そうすぎませんか。ルートの中に分数があって、分子には絶対値までついている。こんなの覚えられる気がしません。
佐藤先生
確かに、初めて見たときは圧倒されるよね、ミライくん。でもね、この公式は「一番効率よくゴールへ行くための最短ルート」を計算しているだけなんだ。今日は、この公式がどうしてこんな形になるのか、パズルを解くように一緒に紐解いてみよう。
ミライくん
最短ルートっていうのは、点から直線に向かって垂直に引いた線の長さのことですよね。
佐藤先生
その通り!例えば、君がいま立っている場所から、目の前の壁(直線)までの距離を測るなら、斜めに測ったりしないよね。真っ直ぐ最短の距離を測るはずだ。これを数学的に計算で出そうとしているのがこの公式なんだ。
相似な三角形が隠れている
ミライくん
先生、でも証明って難しいですよね。ベクトルの内積とか、難しい言葉がいっぱい出てくるイメージです。
佐藤先生
実はね、中学生までの知識である「相似(そうじ)」を使えば、すごくシンプルに証明できるんだよ。直角三角形の中に、もう一つ直角三角形が隠れている図をイメージしてみて。
ミライくん
直角三角形の中に、もう一つの直角三角形ですか。
佐藤先生
そう。まず、直線 ax + by + c = 0 があるとする。そして離れたところに点 P(x0, y0) がある。この点 P から直線に向かって真っ直ぐ下ろした垂線の長さ d を求めたい。ここで、点 P を通って y 軸に平行な線を引いて、直線とぶつかった点を Q としよう。
ミライくん
点 Q は、点 P の真下(または真上)にある点ですね。
佐藤先生
そのとき、点 P、点 Q、そして垂線の足 H でできる直角三角形 PQH に注目するんだ。一方で、もともとの直線 ax + by + c = 0 の傾きを考えると、そこにも別の直角三角形が作れるよね。
ミライくん
直線の傾きは、右にいくら行って、上にいくら行くかっていう比率だから……そこにも直角三角形ができますね。
佐藤先生
その二つの直角三角形は、実は「形が全く同じ(相似)」なんだ。これさえわかれば、あとは比の計算をするだけで、あの複雑な公式にたどり着けるんだよ。
比の力で公式を導き出す
ミライくん
本当ですか。あんなに複雑な式が、比だけで出てくるなんて信じられません。
佐藤先生
やってみようか。大きな三角形の斜辺が √(a^2 + b^2) で、高さが a、底辺が b だとすると、小さな三角形 PQH でも同じ比が成り立つ。求めたい距離 d はその一部分なんだ。
d = PQ × |b| / √(a^2 + b^2)
のような形になる。ここで PQ の長さは、点 P の y 座標と、直線の式から求めた点 Q の y 座標を引き算すればいい。
d = PQ × |b| / √(a^2 + b^2)
のような形になる。ここで PQ の長さは、点 P の y 座標と、直線の式から求めた点 Q の y 座標を引き算すればいい。
ミライくん
引き算なら僕でもできます! y0 - (-ax0 - c)/b みたいになるのかな。
佐藤先生
正確だね。それを整理して、さっきの比の式に代入すると、あら不思議。分母にルートが残って、分子に ax0 + by0 + c の絶対値が綺麗に残るんだ。
ミライくん
うわあ、本当だ。バラバラだったパーツがガチャンと合体して、あの公式の形になりました。
結論:点と直線の距離公式の正体
ミライくん、公式を丸暗記する前に、この3つのポイントを頭に入れておくといいよ。
ポイント1:距離とは「垂直な線の長さ」である。
斜めではなく、最短距離を求めているからこそ、直角三角形が登場します。
ポイント2:公式の分母「ルート」は、三平方の定理である。
分母の √(a^2 + b^2) は、傾きから作った直角三角形の斜辺の長さを表しています。
ポイント3:公式の分子「絶対値」は、代入した時のズレである。
点 (x0, y0) を直線の式に入れたとき、もし点がいきなり直線の上にあれば 0 になるよね。離れていれば離れているほど、その値は大きくなる。だから分子は「どれだけ直線から離れているか」のバロメーターなんだ。
結論として、点 (x0, y0) と直線 ax + by + c = 0 の距離 d は、以下の公式で求められます。
d = |ax0 + by0 + c| / √(a2 + b2)
ミライくん
なんだか、あんなに怖かった公式が、今は「便利な道具」に見えてきました。先生、これを使えば、いちいち図を描かなくても距離がパッと出せますね。
佐藤先生
その通り。証明の仕組みを知っていれば、もしテスト中に公式をど忘れしても、自分で作り出すことだってできる。それが数学の本当の強さなんだよ。
ミライくん
先生、ありがとうございました!次は三平方の定理を使った別の証明方法も、自分で考えてみます!
理解度チェッククイズ
問1. 点と直線の距離を考えるとき、その「距離」が指すのはどのような線ですか?
問2. 公式の分母にある √(a^2 + b^2) は、何という定理からきていますか?
問3. 点 (3, 4) が直線 3x + 4y + 5 = 0 の上にあるとき、距離 d はどうなりますか?
「数式の丸暗記から卒業したい!」そんな君へ。
ミライ・キャリアアカデミーでは、公式の「なぜ?」を大切に、本質的な理解をサポートします。パズルを解くようなワクワクする授業で、苦手な数学を最強の武器に変えてみませんか?
無料学習相談・お申し込みはこちら