ミライくん
先生、テレビを見てるといつも思うんですけど、どうして東京や大阪ってあんなに人が多いんですか?電車もパンパンだし、道も歩けないくらい。もっと広い田舎にみんなで行けばいいのにって思っちゃいます。
佐藤先生
ははは、確かにミライくんの言う通りだね。朝の通勤ラッシュや人混みを見ると、どうしてこんなに一箇所に集まるんだろうって不思議になるよね。でも、実はこの「特定の場所にばかり人が集まりすぎること」を社会の世界では東京一極集中や都市への人口集中と呼んでいて、今、日本にとってすごく大きな問題になっているんだよ。
ミライくん
人がたくさんいればお店も儲かるし、賑やかでいいことばっかりな気がするんですけど、そんなに困ったことが起きるんですか?
佐藤先生
それがね、ミライくん。何事も「ちょうどいいバランス」が大事なんだ。今日は、東京や大阪に人が集まりすぎると、私たちの生活にどんな悪い影響が出てくるのか、一緒に考えてみようか。
ミライくん
はい!お願いします。
佐藤先生
まず、ミライくんがさっき言った「電車の混雑」もその一つだね。これを社会の言葉で言うと都市問題と言うんだ。人が集まりすぎると、まず「住む場所」や「移動」がすごく大変になる。東京や大阪は土地が限られているのに、そこに何千万という人が住しようとするから、家賃がとんでもなく高くなるんだよ。
ミライくん
あ、そういえば僕のいとこが東京で一人暮らしを始めたんですけど、すごく狭いアパートなのに家賃がめちゃくちゃ高いって嘆いてました。
佐藤先生
その通り。高い家賃を払うために一生懸命働かなきゃいけないし、広い家には住めない。そうすると、結婚して子供を育てようと思っても、「家が狭いしお金もかかるから、子供は一人でいいかな」とか「今は無理だな」って考える人が増えてしまうんだ。これが、日本全体で問題になっている少子化を加速させる原因の一つだと言われているんだよ。
ミライくん
へぇー!家賃が高いことが、子供が減ることに関係してるなんて意外でした。
佐藤先生
それだけじゃないよ。もし、大きな地震などの災害が起きたらどうなると思う?
ミライくん
あ……。あんなに人がたくさんいるところで地震が起きたら、逃げるのも大変そうだし、パニックになりそうですね。
佐藤先生
そうだね。これを災害リスクの分散不足と言うんだ。例えば、日本の政治や経済の中心機能が全部東京にある状態で、東京が大きな被害を受けたら、日本全体の動きが止まってしまう。電気が止まったり、会社が動かなくなったりしたとき、代わりに動ける場所が他の地域に準備されていないと、国全体がピンチに陥るんだ。
ミライくん
バックアップがない状態ってことですね。それは怖いな……。
佐藤先生
そして、もう一つ大な視点がある。東京や大阪に人が集まるということは、逆に「他の地域から人がいなくなる」ということだよね。これを過疎化と言う。ミライくん、田舎の親戚の家とかに行ったときに、昔より活気がないなと感じたことはないかな?
ミライくん
あります。おじいちゃんの家の近くの商店街、シャッターが閉まっているお店ばかりで、歩いているのもお年寄りばかりでした。
佐藤先生
それが大きな問題なんだ。若い人がみんな都会へ出て行ってしまうと、その地域を守る人がいなくなる。道が壊れても直せない、ゴミを拾う人もいない。さらに深刻なのは、病院やスーパーが維持できなくなることなんだ。使う人が少ないとお店は潰れてしまうからね。そうなると、残されたお年寄りたちは買い物にも行けず、生活ができなくなってしまうんだよ。
ミライくん
都会に集まりすぎると、都会はギュウギュウで苦しいし、田舎はスカスカで生活できなくなる。どっちもハッピーじゃないってことですね。
佐藤先生
その通り!ミライくん、いいまとめだ。都会では「待機児童」といって保育園に入れない子供の問題や、ゴミの処理が追いつかない問題、ヒートアイランド現象といってアスファルトのせいで気温が上がりすぎる問題も起きている。一方で、地方では伝統的なお祭りや文化が消えてしまったり、手入れされない山や森が荒れてしまって、クマやイノシシが里に降りてきたりする被害も増えているんだ。
ミライくん
山が荒れるのも、人がいなくなるせいなんですか。
佐藤先生
そうなんだ。人間が自然と共生してきた仕組みが、人口の偏りのせいで壊れてしまっているんだね。だから、今の日本は「地方創生」といって、地方にも仕事を作って、東京や大阪以外でも楽しく豊かに暮らせるようにしようと頑張っているんだよ。
ミライくん
そっか。どこに住んでいても便利で、安全に暮らせるのが一番いいですもんね。
佐藤先生
そのために、最近では会社に行かなくても仕事ができる「テレワーク」が広がったりしているよね。ミライくんたちの世代が大人になる頃には、もっと自由に住む場所を選べるようになっているかもしれないね。
ミライくん
なんだかワクワクしてきました。先生、よくわかりました!
佐藤先生
それはよかった。じゃあ、今日の話をしっかり整理して、結論としてまとめておこう。
東京や大阪にばかり人が集まることで起きる問題のまとめ
1.都会の生活環境が悪化する
家賃が高騰し、狭い家での生活を強いられます。また、通勤ラッシュや道路の渋滞、保育園不足など、日々の生活のストレスが大きくなります。これが結婚や出産をためらう原因になり、少子化をさらに進めてしまいます。
2.災害時のリスクが非常に高くなる
もし東京などの大都市で大地震が起きた場合、日本の政治や経済の機能が一度にストップしてしまいます。一箇所に集中しすぎているため、被害が日本全体に致命的な影響を与えてしまうのです。
3.地方の暮らしが成り立たなくなる(過疎化)
地方から若い人がいなくなると、スーパー、病院、公共交通機関(バスや電車)などが赤字で運営できなくなり、撤退してしまいます。その結果、地方に残った人々が生活必需品を買うことも困難な「買い物難民」になるなどの問題が発生します。
4.自然環境や伝統文化が守れなくなる
人がいなくなった地方では、田畑や山林の手入れができなくなり、自然環境が荒廃します。また、その土地に代々伝わってきたお祭りや伝統技術を継承する人がいなくなり、日本の貴重な文化が消えてしまう恐れがあります。
結論
東京や大阪への人口集中は、都会での「暮らしにくさ」と、地方での「生活基盤の崩壊」という、両方の地域にとって大きなマイナスを引き起こします。日本全体が安全で豊かにあり続けるためには、特定の都市に頼りすぎず、全国どこに住んでいても仕事があり、安心して暮らせる「バランスの取れた国づくり」が不可欠なのです。
理解度チェック!
【第1問】都会に人が集まりすぎて家賃が高くなることが、日本のどんな社会問題につながると言われていますか?
【第2問】東京にすべての機能が集中している状態で大災害が起きたときの最大のリスクは何ですか?
【第3問】地方から若い人がいなくなり、病院やスーパーが維持できなくなる現象を何と呼びますか?