【理科の不思議】水と氷の性質の違いとは?浮く理由と温度が変わらない秘密を解説!

💡 水と氷の不思議について佐藤先生とミライくんの特別授業

佐藤先生 佐藤先生

ミライくん、こんにちは。今日の理科の時間は、私たちが毎日必ず目にしている身近なもの、水と氷の性質の違いについて一緒に考えていきましょう。

ミライくん ミライくん

佐藤先生、こんにちは。水と氷ですか。水が凍ったら氷になるっていうのは誰でも知っていますけど、ほかに何か特別な違いなんてあるんですか。あまりに普通すぎて、わざわざ理科の授業でやるような秘密があるようには思えないです。

佐藤先生 佐藤先生

そう思うよね。でもね、理科の世界では、水と氷の組み合わせってものすごく異常で、宇宙規模で見てもトップクラスに不思議な性質を持っているんだよ。まずはミライくんの経験から思い出してみよう。ジュースやお茶に氷を入れたとき、その氷はコップの中でどうなっているかな。

ミライくん ミライくん

どうなっているかって、普通に浮いていますよ。マックでコーラを頼んだときも、氷は上にプカプカ浮いています。それがどうかしたんですか。

佐藤先生 佐藤先生

実はそこがもう、最大の不思議の始まりんだ。普通、物質というものは、液体から固体に変わるとき、ギュッと小さくなって重くなるんだよ。だから液体のなかに同じ種類の固体を落としたら、底に沈むのが宇宙の基本ルールなんだ。例えば、チョコレートをドロドロに溶かしたなかに、固まったチョコレートの塊を落としたら、絶対に底に沈んでいくんだよ。

ミライくん ミライくん

ええっ、そうなんですか。じゃあ、水の中に氷が浮くっていうのは、本当は変なことなんですか。

佐藤先生 佐藤先生

そうなんだよ。水という物質だけが特別で、液体よりも固体の方が軽くなるという、珍しい性質を持っているんだ。もし水がほかの物質と同じルールだったら、冬の海や湖の氷は底から順番にカチコチに凍っていくことになって、なかにいる魚たちはみんな押しつぶされて全滅してしまうんだよ。氷が上に浮いてくれるおかげで、氷の下の水は冷たいままでも凍らずに済んで、魚たちが冬を越せるんだね。

ミライくん ミライくん

へえ、氷が浮くのって、魚たちにとっては命綱だったんですね。でも、なんで氷になると水に浮くくらい軽くなるんですか。水が凍っただけだから、中身は何も変わっていないはずですよね。

佐藤先生 佐藤先生

中身の成分は同じなんだけど、粒の並び方がガラッと変わるんだ。理科では、すべての物質は目に見えないくらい小さな粒が集まってできていると考える。水を顕微鏡よりももっとすごい機械で拡大して見ると、たくさんの水の粒が自由に動き回っている状態んだ。液体の中では、粒たちが『おっとっと』とぶつかり合いながら、かなりぎゅうぎゅうに詰まった状態で動き回っているんだよ。

ミライくん ミライくん

じゃあ、水の状態のときは、粒同士の距離がかなり近いってことですか。

佐藤先生 佐藤先生

その通り。お祭りの満員電車や、大混雑のスクランブル交差点みたいなイメージだね。みんなが自由に動いているんだけど、隙間がほとんどないくらい詰まっている。ところが、これが冷やされて凍り始めると、粒たちが動きを止めて、お互いにしっかり手をつなぎ始めるんだ。そのときにね、水の粒には『一番安定して手をつなげる形』というのがあるんだよ。

ミライくん ミライくん

どんな形なんですか。

佐藤先生 佐藤先生

綺麗な六角形のジャングルジムのような形を作るんだ。みんなできちんと整列して、お互いに一定の距離を保ってカチッと固まる。するとね、自由に動いていたときよりも、粒と粒の間にたくさんの『隙間』ができてしまうんだよ。

ミライくん ミライくん

あ、なるほど。満員電車の中で、みんなが『前へならえ』をして腕をピシッと伸ばして整列したら、乗れる人数が減っちゃうみたいな感じですか。

佐藤先生 佐藤先生

素晴らしい例えだね。まさにそれだよ。みんなが腕を伸ばして規則正しく並んだせいで、部屋全体の体積、つまり全体の大きさがグッと膨らんでしまうんだ。中身の粒の数は1ミリも増えていないのに、隙間だらけのジャングルジムになったせいで、見た目のボリュームだけが大きくなる。これが、水が氷になるときに膨らむ原因なんだよ。

ミライくん ミライくん

見た目が大きくなるってことは、同じ重さでも体積が大きくなるから、結果的に軽くなるってことですね。

佐藤先生 佐藤先生

その通り。同じ体積あたりで比べたときの重さのことを、理科では密度と言うんだけど、水よりも氷の方が密度が小さくなる。だから、氷は水にプカプカと浮くことができるんだ。

ミライくん ミライくん

なるほど。ジャングルジムのなかのスカスカな隙間のせいで浮いているんですね。そういえば、ペットボトルに水をパンパンに詰めて冷凍庫に入れたら、破裂しそうなくらい膨らんでいたことがありました。あれも同じ理由ですか。

佐藤先生 佐藤先生

まさにそれだよ。水が凍ると、体積がおよそ11分の1くらい増えるんだ。だから、隙間なく水を詰めて凍らせると、中からものすごい力で容器を押し広げてしまう。大昔の人は、この水が凍るときの膨らむ力を利用して、硬い岩の割れ目に水を流し込んで、わざと凍らせて岩を真っ二つに割って工事をしていたくらいなんだよ。

ミライくん ミライくん

岩を割るほどのパワーがあるんですね。水が氷になるときに膨らむのはよく分かりました。じゃあ、逆に氷が溶けて水になるときは、そのジャングルジムが崩れて、またぎゅうぎゅう詰めの満員電車に戻るから、体積が小さくなるんですか。

佐藤先生 佐藤先生

大正解。氷が溶けて水になるときは、六角形の綺麗な隙間がガラガラと崩れて、粒たちがその隙間に滑り込んでいくんだ。だから、体積がシュッと小さくなる。ここでもう一つ、テストにもよく出る面白い実験のクイズを出してみよう。コップの中に氷をいくつか入れて、そこにお水をフチのギリギリまで注ぎます。表面張力で、今にも溢れそうな状態ね。このまま部屋に置いておいて、氷が全部溶けたら、コップの水は溢れるでしょうか、それとも溢れないでしょうか。

ミライくん ミライくん

ええ、それは溢れるんじゃないですか。だって氷が溶けて水になるんだから、かさが増えそうな気がします。あ、でもさっき、氷の方が体積が大きいって言いましたよね。ということは、溶けたら小さくなるから、逆に水面が下がるんですか。

佐藤先生 佐藤先生

実はね、答えは『溢れないし、水面も全く変わらない』なんだよ。

ミライくん ミライくん

ええっ。水面が変わらない。大きくも小さくもならないんですか。どうしてですか。

佐藤先生 佐藤先生

ここには、浮力のルールが隠されているんだ。氷が水に浮いているとき、水面から上に突き出ている部分があるよね。だいたい氷全体の1割くらいが水の上に出ていて、残りの9割は水の中に沈んでいるんだ。この水の上に飛び出している1割の部分って、さっき話した『水が凍ってジャングルジムになったときに増えた隙間の分』と全く同じ量なんだよ。

ミライくん ミライくん

えっ、じゃあ、あの飛び出している部分が、増えた分のボリュームなんですか。

佐藤先生 佐藤先生

そうなんだ。だから、氷が溶けてジャングルジムが崩れると、ちょうどその飛び出していた1割のボリューム分だけ全体が縮むことになる。結果として、水の中に沈んでいた9割の体積の中に、溶けた水がぴったり綺麗に収まってしまうんだよ。だから、氷がどれだけ溶けても、コップの水面は1ミリも上がらないし、下がらないんだ。

ミライくん ミライくん

うわあ、すごい。神様が計算したみたいにピッタリ収まるんですね。北極の氷が溶けても海面は上がらないって聞いたことがありますけど、それと同じですか。

佐藤先生 佐藤先生

よく知っているね。海にプカプカ浮いている北極の氷山や流氷が溶けても、世界の海面は上がらないんだ。ただ、南極の氷や山の上の氷河は、海ではなく『陸の上』に乗っかっている氷だから、それが溶けて海に流れ込むと海面が上がってしまう。理科の問題では、この違いを引っ掛け問題として出してくることがあるから気をつけようね。

ミライくん ミライくん

なるほど、陸の上の氷か、水の中の氷かで話が変わるんですね。覚えておきます。水と氷の違いについて、ほかにはどんなポイントがありますか。

佐藤先生 佐藤先生

次は『温度』に注目してみよう。ミライくん、水が凍る温度って何度か知っているかな。

ミライくん ミライくん

それは分かります。0度ですよね。

佐藤先生 佐藤先生

そうだね。じゃあ、氷が溶けて水になる温度は何度だろう。

ミライくん ミライくん

ええと、溶ける温度だから、部屋の温度の20度くらいですか。

佐藤先生 佐藤先生

実はね、水が凍る温度も、氷が溶ける温度も、まったく同じ0度なんだ。理科では、水が凍る温度のことを凝固点、氷が溶ける温度のことを融点と言うけれど、純粋な水の場合、どちらも0度で固定されているんだよ。

ミライくん ミライくん

えっ、同じ温度なんですか。じゃあ、0度のときって、水なんですか、それとも氷なんですか。

佐藤先生 佐藤先生

いい質問だね。0度のときは、水と氷が『両方いっしょに混ざり合っている状態』になるんだ。例えば、冷凍庫から出してきたマイナス10度の氷を部屋に置いておくと、だんだん周りの空気から熱を吸収して、温度が上がっていくよね。そして、温度が0度になった瞬間に、氷が表面から溶け始めるんだ。ここで不思議なことが起きる。氷が全部溶けて完全な水になるまでの間、どれだけ周りから熱を加え続けても、その全体の温度は『ずっと0度のまま一歩も動かない』んだよ。

ミライくん ミライくん

ええっ、熱を加えているのに温度が上がらないんですか。火で温めてもですか。

佐藤先生 佐藤先生

そう、火で温めても、氷が残っているうちは絶対に0度のままなんだ。なぜなら、もらった熱のエネルギーが、すべて『六角形のジャングルジムを壊すため』だけに使われてしまうからなんだ。粒同士の手繋ぎを外すためにパワーが使われちゃうから、温度を上げる方にはパワーが回らないんだね。だから、最後のひとかけらの氷が溶けてなくなるまでは、ずーっと0度をキープする。そして、すべてが水に戻った瞬間から、ようやく温度が1度、2度と上がり始めるんだよ。

ミライくん ミライくん

へえ。熱の使い道が変わるんですね。じゃあ、逆に水を冷やしていくときはどうなんですか。

佐藤先生 佐藤先生

全く逆のことが起きるよ。20度の水を冷やしていくと、10度、5度、と順調に下がって、0度になった瞬間に凍り始める。ここでも、すべての水が完全にカチコチの氷になるまでは、どんなに強力に冷やし続けても温度は0度のまま止まるんだ。今度は、水の粒たちが手をつないでジャングルジムを作るときに、持っていた熱のエネルギーを外に吐き出すからなんだよ。冷やされている分と、粒が吐き出す熱の量がちょうど同じになるから、やっぱり0度でストップするんだ。

ミライくん ミライくん

なるほど。状態が変わる裏側では、熱のやり取りが激しく行われているから、温度が止まる瞬間があるんですね。

佐藤先生 佐藤先生

その通り。この、氷から水、水から氷という風に、物質の姿が変わることを理科では状態変化と言うんだ。水と氷の違いは、ただ硬さが違うだけじゃなくて、粒の並び方と、それに伴う体積や密度の違い、作用して温度が変化するときの熱のルールが大きく関わっているんだね。

ミライくん ミライくん

ただの氷水だと思って見ていたコップの中に、そんなにたくさんの理科の決まりが詰まっていたなんて驚きです。満員電車とジャングルジムのイメージのおかげで、頭の中で粒の動きがハッキリ想像できるようになりました。

佐藤先生 佐藤先生

それは良かった。理科の勉強は、目に見えない粒の気持ちになって想像してみると、一気に分かりやすくなるんだよ。では、今日勉強した水と氷の性質の違いについて、いつでもパッと見直して復習できるように、最後に大事なポイントを美しくまとめておきましょう。

結論

水と氷の性質には、粒の並び方や体積、温度の変化において、以下のような明確な違いと規則性があります。

まず、一番の大きな違いは状態変化に伴う体積と密度の変化です。一般的な物質は液体から固体になるときに体積が縮んで重くなりますが、水だけは例外です。液体の水の中では粒たちが自由に、かつ隙間なくぎゅうぎゅうに詰まって動き回っています。しかし、これが凍って固体の氷になるときは、粒たちが規則正しく並んで綺麗な六角形の隙間が多い構造を作ります。この隙間のせいで、水が氷になると体積がおよそ11分の1ほど膨らみ、同じ体積あたりの重さ(密度)が水よりも小さくなります。そのため、氷は水にプカプカと浮くという珍しい性質を持ちます。水に浮いている氷が溶ける際、水面から出ている部分の体積は、凍ったときに増えた隙間の体積と全く同じであるため、氷がすべて溶けても水面全体の高さは変わりません。

次に、温度変化におけるルールです。水が凍り始める温度(凝固点)と、氷が溶け始める温度(融点)は、どちらも同じ0度です。物質が氷から水、あるいは水から氷へと姿を変えている最中は、外部から熱を加えたり冷やしたりしても、完全に変化が終わるまでは全体の温度が0度のまま一定になります。これは、与えられた熱や奪われる熱のエネルギーが、すべて粒同士の結びつきを変える(六角形の構造を作ったり壊したりする)ためだけに使われるからです。

このように、水と氷は同じ成分でありながら、内部の粒の並び方の違いによって、体積の増減や温度の維持といった全く異なる性質を示します。

✍️ 理解度チェックテスト

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【第1問】水が凍って氷になるとき、体積はどう変化しますか?
【第2問】コップのフチまで入った氷水で、中の氷がすべて溶けたとき、水面はどうなりますか?
【第3問】氷が溶けている最中(水と氷が混ざっているとき)、全体の温度はどうなっていますか?
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