佐藤先生とミライくんの未来完了形マスター講義
ミライくん
中学二年生の三学期、放課後の教室でミライくんは英語の教科書を開いたまま、大きなため息をついていました。そこへ、英語担当の佐藤先生が通りかかりました。
あ、佐藤先生。実はこの、未来完了形っていうのが全然意味がわからなくて。ただでさえ現在完了形とか過去完了形とか、完了って名前がつくものが苦手なのに、そこに未来まで混ざってきたら、もうお手上げですよ。
佐藤先生
ミライくん、ずいぶん深いため息をついているね。何か難しいところでもあったかい。
なるほどね。完了形と聞いただけで、なんだかややこしい公式を覚えないといけない気がして身構えちゃうよね。でも、安心していいよ。未来完了形は、イメージさえつかめば現在完了形よりもずっと簡単んだ。
ミライくん
本当ですか。僕、英語のテストだといつも平均点に届かなくて、言葉の説明を読んでも頭に入ってこないんです。
佐藤先生
大丈夫。難しい文法用語は使わずに、ミライくんが毎日やっていることで考えてみよう。ミライくんは、ゲームのレベル上げや、アニメを見たりすることはあるかい。
ミライくん
ゲームなら毎日やってます。今は大人気のアクションゲームにハマっていて、毎日夜の八時から十時までは絶対にプレイするって決めてるんです。
佐藤先生
それはいい例だね。じゃあ、今が夕方の六時だとしよう。ミライくんはまだゲームを始めていないよね。
ミライくん
佐藤先生
でも、ミライくんの頭の中には、今日の夜の予定がはっきりと見えている。そこで、夜の九時の時点で、ミライくんがどうなっているかを想像してみてほしい。
ミライくん
夜の九時ですか。八時から始めているから、ちょうどゲームの真っ最中ですね。一番盛り上がっているところだと思います。
佐藤先生
その通り。それが、未来の進行形という感覚だね。じゃあ、時間を進めて、夜の十一時の時点だったらどうなっているかな。
ミライくん
十一時だったら、もう今日の分のプレイは終わっています。十時に終わる予定だから、十一時にはゲーム機を片付けて、お風呂に入っているか、ベッドに入ってのんびりしているはずです。
佐藤先生
素晴らしい。今、ミライくんが言ってくれた「十一時にはもう終わっているはずだ」という感覚こそが、未来完了形の一番の核心んだよ。
ミライくん
佐藤先生
そうだよ。未来完了形というのはね、今より先の未来のある時点を頭の中で想像して、その時にはもう、その行動が完了しているだろうな、終わっているだろうな、と予測して言うときの形なんだ。
現在完了形は「今、もう終わっちゃった」という今の話だけど、未来完了形は「その未来のときには、もう終わっているだろうね」という、未来の締め切りに目を向けている言葉なんだよ。英語の形としては、未来を表すウィルと、完了を表すハブと過去分詞を組み合わせて、ウィル・ハブ・過去分詞という形で作るんだ。
ミライくん
ウィル・ハブ・過去分詞。なんだか三つも並ぶと、それだけで難しそうに見えますね。
佐藤先生
並びは長く見えるけれど、パーツに分けて考えればシンプルだよ。まず未来のことを言いたいからウィルを置く。そのあとにハブと過去分詞のセットを続けるだけ。主語がヒィやシィのときでも、ウィルの後ろだからハズにならずに、絶対にハブのままでいいんだ。だから、形のルールとしては現在完了形よりも覚えることが少なくて楽なんだよ。
ミライくん
あ、そっか。ウィルの後ろは動詞の原形って決まっていますもんね。だからいつもハブでいいんだ。それはちょっと気が楽になりました。でも、学校の教科書を見ると、ウィル・ハブ・過去分詞のほかにも、文の終わりにバイ・プラス・時間みたいな言葉がよくついていますよね。あれは何なんですか。
佐藤先生
よく気づいたね。未来完了形を使うときは、セットで「未来のどの時点の話をしているのか」という締め切りを表す言葉を一緒に使うことがほとんどなんだ。そのときに大活躍するのが、バイという言葉だよ。このバイは「〜までには」という意味を持っている。さっきのミライくんのゲームの話なら、「夜の十一時までには、ゲームを終えているだろう」となるよね。
ミライくん
なるほど。ただの未来の文だと「十一時に終わる」だけど、未来完了形だと「十一時までには、もう終わっちゃっているだろう」という、時間の幅というか、締め切りに間に合っている感じが出るんですね。
佐藤先生
完璧な理解だよ、ミライくん。じゃあ、今のゲームの文を、英語の形に当てはめてみよう。私はゲームを終えているだろう、だから、アイ・ウィル・ハブ・フィニッシュト・ザ・ゲーム。そこに、夜の十一時までには、を付け足したいから、バイ・イレブン・ピーエムをつける。繋げると、アイ・ウィル・ハブ・フィニッシュト・ザ・ゲーム・バイ・イレブン・ピーエム、となるんだ。
ミライくん
アイ・ウィル・ハブ・フィニッシュト・ザ・ゲーム・バイ・イレブン・ピーエム。うん、言われてみれば、パーツを順番に並べただけですね。
佐藤先生
そうなんだよ。じゃあ、もう一つ別の場面で考えてみよう。ミライくんは学校の宿題を家でやるとき、いつもどれくらい時間をかけるかい。
ミライくん
宿題はだいたい、夕ご飯を食べる前の七時から始めて、一時間くらいで終わらせるようにしています。八時からはご飯なので。
佐藤先生
いいリズムだね。じゃあ、お母さんが夕方の六時にミライくんにこう言ったとしよう。「ミライ、今日の夜の八時に、おじいちゃんから電話がかかってくるから、あなたも出なさいね」と。そのとき、ミライくんはお母さんに何て答えるかな。
ミライくん
八時におじいちゃんから電話ですね。僕の宿題は八時には終わっているはずだから、「八時までには宿題は終わっているから大丈夫だよ」って言います。
佐藤先生
それだね。まさにそのセリフが、未来完了形が一番使いたくなる瞬間なんだ。今、夕方の六時の時点では、まだ宿題すら始めていない。でも、未来の八時という時点を想像したときには、宿題という作業はもう完全に終わって、おじいちゃんからの電話に出られる状態になっている。この「八時までにはもう終わっているよ」を英語にしてみよう。
ミライくん
主語は僕だからアイですね。終わるはフィニッシュだから過去分詞にしてフィニッシュト。宿題はマイ・ホームワーク。
素晴らしい、その調子。
だから、アイ・ウィル・ハブ・フィニッシュト・マイ・ホームワーク。そこに八時までには、をつけるから、バイ・エイト。全部合わせると、アイ・ウィル・ハブ・フィニッシュト・マイ・ホームワーク・バイ・エイト。これで合っていますか。
佐藤先生
大正解。素晴らしいよ。ミライくんはもう、未来完了形の基本を完全にマスターしたね。
ミライくん
やった。こうやって自分の行動で考えると、なんでわざわざウィルとハブを混ぜて使うのか、なんとなく理由がわかってきました。ただ「宿題をするつもりだ」というウィルだけだと、八時の時点で終わっているかどうかがハッキリしないけれど、ウィル・ハブ・過去分詞にすることで、「八時の時点ではもう終わった状態になっているよ」って、お母さんを安心させることができるんですね。
佐藤先生
その通り。未来の時点での完了状態をはっきりと伝えることで、相手に安心感を与えたり、自分のこれからの予定を正確に伝えることができるんだ。言葉の本質をしっかりつかめているよ。
ミライくん
でも先生、教科書をめくっていたら、この未来完了形って、意味が三つもあるって書いてあったんです。完了と、経験と、継続。現在完了形のときも、この三つの意味を覚えるのが本当に大変で、テストでどれがどれだかわからなくなっちゃったんです。未来完了形でもまた同じことをやらないといけないんですか。
佐藤先生
教科書にはよくそう書いてあるよね。でもね、ミライくん、この三つの名前を無理に丸暗記しようとしなくて大丈夫だよ。実は、根本にあるイメージはすべて同じ「未来のある時点を想像して、そのときにはこうなっているだろうな」というものだけなんだ。
ミライくん
佐藤先生
そうだよ。ただ、後ろにくっつく言葉や、使う動詞の種類によって、日本語に訳すときに見た目が少し変わるだけなんだ。せっかくだから、経験と継続のパターンも、ミライくんの好きなことでシミュレーションしてみよう。ミライくんは、お気に入りのアニメや映画で、何度も繰り返し見ている作品はあるかい。
ミライくん
あります。大好きなロボットアニメの映画があるんですけど、すごく面白くて、もうすでに二回も見ました。
佐藤先生
二回も見たんだね。じゃあ、今度の週末に、そのアニメの映画がテレビで放送されるとしたら、ミライくんは見ちゃうかな。
ミライくん
絶対に録画して見ます。今からすごく楽しみなんです。
佐藤先生
ということは、その週末の放送を見終わった時点を想像してみてほしい。そのとき、ミライくんはその映画を合計で何回見たことになるだろう。
ミライくん
今までに二回見ていて、週末にもう一回見るんだから、三回見たことになりますね。
佐藤先生
そうだよね。その「週末が来たら、私はそれを三回見たことになるだろう」というのも、未来完了形を使って表すんだ。これが、教科書でいうところの「経験」の役割になる。
ミライくん
あ、本当だ。未来のある時点を想像して、そのときには三回経験した状態になっている、ってことですね。
佐藤先生
まさにその通り。英語にするときも、基本の形は全く変わらないよ。私は見たことになるだろう、だから、アイ・ウィル・ハブ・ウォッチト・ザ・ムービー・スリー・タイムズ。そこに、もし私がそれをもう一度見たら、という条件を付け足して、イフ・アイ・ウォッチ・イット・アゲイン、と続けるんだ。
ミライくん
アイ・ウィル・ハブ・ウォッチト・ザ・ムービー・スリー・タイムズ・イフ・アイ・ウォッチ・イット・アゲイン。形はさっきの宿題の文と全く同じですね。
佐藤先生
そうなんだよ。後ろにスリー・タイムズという回数を表す言葉がついているから、日本語に訳すときに「三回見たことになる」という経験のニュアンスになるだけで、頭の中の使い方は最初の宿題やゲームの文と全く一緒んだ。
ミライくん
なんだ、意味が三つあるって脅かされた気がしていたけれど、結局は未来のゴール地点から振り返って数えているだけなんですね。
佐藤先生
その表現、すごくいいね。未来のゴール地点から振り返る。まさに未来完了形の本質を表す言葉だよ。じゃあ、最後の「継続」も、そのゴール地点から振り返る作戦で考えてみよう。ミライくんは、今の中学校に入学してから、英語を勉強し始めてどれくらいになるかな。
ミライくん
中学一年生の一月から本格的に塾に通い始めたので、今でちょうど一年くらいですかね。
佐藤先生
なるほど。今は二月だから、ちょうど一年と一ヶ月くらいだね。じゃあ、時間が流れて、次の大晦日、つまり今年の十二月三十一日になったとしよう。そのゴール地点から振り返ったとき、ミライくんが英語を勉強してきた期間は、全部でどれくらいになっているかな。
ミライくん
今年の二月で一年ちょっとだから、十二月まで行くと、ええと、だいたい二年くらいになります。
佐藤先生
そうだね。その「今年の十二月が来たら、私は英語を二年間ずっと勉強し続けてきたことになるだろう」という状態。これが「継続」と呼ばれるものなんだ。これも英語の組み立て方は一緒だよ。私は勉強してきたことになるだろう、だから、アイ・ウィル・ハブ・スタディード・イングリッシュ。そこに、二年間、という期間を表すフォー・トゥー・イヤーズをつけて、最後に、今年の十二月までに、という意味のバイザエンド・オブ・ディス・イヤーを添えるんだ。
ミライくん
アイ・ウィル・ハブ・スタディード・イングリッシュ・フォー・トゥー・イヤーズ・バイザエンド・オブ・ディス・イヤー。これもやっぱり、未来の十二月三十一日というゴール地点に立って、そこから過去を振り返って「二年だな」って言っているだけですね。
佐藤先生
その通り。だから、完了とか経験とか継続とか、言葉の名前に振り回される必要は一切ないんだよ。どの意味のときでも、文の後半には必ず「未来のゴール地点」を表す言葉(バイ・エイト や バイザエンド・オブ・ディス・イヤー など)や、「そのときまでの回数や期間」(スリー・タイムズ や フォー・トゥー・イヤーズ など)がヒントとしてくっついているんだ。
ミライくん
なるほど。そう考えると、未来完了形って、テストのときもヒントが文の中にたくさん散らばっているから、むしろ解きやすい問題なのかもしれないですね。
佐藤先生
お、心強い言葉が出てきたね。その通り、未来完了形はヒントがすごく明確なんだ。特に、バイという言葉を見つけたら、「あ、これは未来のある時点をゴールにしているな」と一発でわかるからね。
ミライくん
佐藤先生
ミライくん
未来完了形と、ただの未来形(ウィル・プラス・動詞の原形)の違いが、まだ少しだけゴチャゴチャすることがあって。例えば、「私は明日、部屋を掃除するつもりだ」というのと、「私は明日までに、部屋を掃除し終えているだろう」というのは、どう使い分ければいいんですか。
佐藤先生
それはすごく鋭い質問だね。多くの人が最初につまずくポイントだよ。 二つの文の違いは、ミライくんが「どこにカメラを向けているか」という、視点の違いなんだ。 まず、ただの未来形であるアイ・ウィル・クリーン・マイ・ルーム・トゥモローという文。これは、カメラが「明日、掃除をするという行動そのもの」を映している。明日になったら、ほうきを持って掃除を始めるぞ、というその瞬間の動作や予定にスポットライトが当たっているんだ。
ミライくん
なるほど。明日に掃除をするぞ、という行動そのものですね。
佐藤先生
一方で、未来完了形のアイ・ウィル・ハブ・クリーンド・マイ・ルーム・バイ・トゥモローという文。これは、カメラが「明日という締め切りの時点での、部屋の様子」を映しているんだ。つまり、明日という時間になったときには、もう掃除は完全に終わいて、部屋がピカピカに片付いた状態になっている、という「結果」にスポットライトが当たっている。
ミライくん
あ、わかりました。ただの未来形は「これからやるぞ」というスタートや行動の予定。未来完了形は「そのときにはもう終わって、綺麗な状態になっているぞ」というゴールした後の状態。
佐藤先生
その通り。例えば、友達が明日の昼にミライくんの家に遊びに来ることになったとしよう。友達から「明日、お前の部屋に行っても大丈夫?散らかってない?」と聞かれたとき、ただの未来形で「明日、掃除する予定だよ」と答えたら、友達はちょっと不安にならないかい。
ミライくん
確かに。「明日掃除するって、私が家に行くまでに間に合うのかな。まだ散らかってるのかな」って心配になりますね。
佐藤先生
そうだよね。でもそこで、未来完了形を使って「明日、君が来るまでにはもう掃除は終わっているよ」と言ってあげたらどうかな。
ミライくん
それなら安心します。あ、もう片付いているんだな、じゃあ安心して遊びに行けるなって思えます。
佐藤先生
そう、その安心感や確実性を伝えるために、未来完了形という形が存在しているんだよ。英語って、ただ機械的に公式を覚えるだけだとつまらないけれど、こういう「どんな気持ちを相手に伝えたいか」という視点で見ると、すごく人間味があって面白い言葉だと思わないかい。
ミライくん
はい。今までウィル・ハブ・過去分詞なんて、呪文みたいで嫌いだなって思っていたけれど、相手を安心させたり、未来の予定をスマートに伝えるための思いやりの言葉みたいに思えてきました。
佐藤先生
それは素晴らしい気づきだね、ミライくん。その感覚を持っていれば、これからの英語の勉強がどんどん楽しくなるよ。教科書の問題も、きっとスラスラ解けるようになるはずだ。
ミライくん
先生、ありがとうございました。今日の夜の十時までには、この未来完了形の復習を完了させてみせます。
佐藤先生
ハハハ、早速使ってくれたね。その意気だよ。アイ・ウィル・ハブ・フィニッシュト・マイ・レビュー・バイ・テン・ピーエム、だね。応援しているよ。
未来完了形の本質を明確に理解するための要点は、以下の通りです。
未来完了形は、英語でウィル・ハブ・過去分詞という形で表される文法です。この表現の根本にあるのは、「未来のある特定の時点(ゴール地点)を想像し、そのときにはある行動や状態がすでに完了しているだろう、あるいはその時点で特定の経験や継続が達成されているだろう」と予測する視点です。
単なる未来形(ウィル)が「未来にその行動を行う予定や意志」という行動そのものにスポットライトを当てるのに対し、未来完了形は「未来のその時点における結果や状態」にスポットライトを当てます。そのため、文中には締め切りを表すバイ(〜までには)や、未来の特定の時間を表す言葉が一緒に使われることが大きな特徴です。
学校の教科書では、完了・経験・継続という三つの異なる意味として別々に教えられることが多いですが、これらはすべて「未来のゴール地点から過去を振り返る」という一つの共通したイメージから派生したものです。後ろに続く言葉が、時間の締め切りであれば完了、回数であれば経験、期間であれば継続というように、日本語の訳し方が変わるだけであり、本質的な構造や捉え方はすべて同一です。この共通のイメージを掴むことで、未来完了形は公式の丸暗記ではなく、未来の状況を正確に描き出すための非常に便利な表現として明確に理解することができます。
第1問: 「私は午後8時までには宿題を終えているだろう。」を正しく表している英文を選ぼう!
ワンポイント解説: 「〜までには(完了しているだろう)」を表すには、未来完了形「will have + 過去分詞」と期限を表す「by」の組み合わせがぴったりです!
第2問: 未来完了形「will have + 過去分詞」の文で、主語が「He」や「She」のとき、haveの形はどうなる?
ワンポイント解説: 助動詞「will」の後ろは常に動詞の原形を置くルールなので、主語に関わらずいつでも「have」のままでOKです!現在完了形よりルールがシンプルですね。
第3問: 未来完了形で、未来の締め切りを表すときによく使われる「〜までには」という意味の単語はどれ?
ワンポイント解説: 「by」は未来のゴール地点(締め切り)を指し示す強力なヒントワードです。これを見つけたら未来完了形を意識しましょう!
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