【数学】もう迷わない!二次方程式の文章題を自分で作れるステップと教え方のコツ

佐藤先生とミライくんの特別対談:二次方程式の文章題の作り方

佐藤先生 佐藤先生
今日の数学の授業はお疲れ様。二次方程式の計算はだいぶスムーズに解けるようになってきたね。
ミライくん ミライくん
はい、因数分解とか解の公式を使うだけの計算問題なら、なんとなく手が動くようになってきました。でも、やっぱり文章題になると全然ダメなんです。テストで文章題が出ると、何をどう式にしたらいいのかわからなくて、いつも頭の中が真っ白になっちゃいます。
佐藤先生 佐藤先生
なるほど、文章題への苦手意識があるんだね。実はそれ、ミライくんだけじゃないんだよ。多くの生徒が「計算はできるけど文章題はできない」と悩んでいるんだ。文章から情報を整理して、自分で「x」を使った数式を組み立てるという作業は、計算とは全く別の頭の使い方をするからね。
ミライくん ミライくん
そうなんです!日本語を数学の言葉に翻訳するみたいな感覚があって、そこがすごく難しくて。
佐藤先生 佐藤先生
いい表現だね。まさに「翻訳」だ。でもね、ミライくん。翻訳が難しいなら、いっそのこと「自分で日本語の文章題を作ってみる」というのはどうだろう?
ミライくん ミライくん
えっ?僕が文章題を作るんですか?解くことすらできないのに、作るなんて絶対に無理ですよ!先生じゃあるまいし……。
佐藤先生 佐藤先生
ふふふ、騙されたと思ってやってごらん。実はね、数学の先生たちがどうやってテストの文章題を作っているのか、その「裏側」を知ることで、文章題の構造が痛いほどよくわかるようになるんだ。手品と同じで、タネを知ってしまえば「なんだ、そういうことか!」って思えるようになる。今日は特別に、先生がどうやって問題を作っているのか、その秘密のステップを教えよう。
ミライくん ミライくん
秘密のステップ……。なんだかちょっと気になります。でも、本当に僕にも作れますか?
佐藤先生 佐藤先生
大丈夫、足し算と引き算、それに簡単な掛け算ができれば誰でも作れるよ。じゃあ、さっそくやってみようか。一番重要なタネ明かしからするね。文章題を作るとき、先生たちは「文章」から作り始めると思うかい?
ミライくん ミライくん
え、違うんですか?「ある数とある数があって~」みたいに、思いついたお話を書いてから、後で答えを計算して確認しているんだと思っていました。
佐藤先生 佐藤先生
それだと、答えが割り切れなくてルート(根号)や分数になってしまうかもしれないし、最悪の場合、答えが存在しない問題になっちゃうこともあるんだ。だから、絶対に「文章」からは作らない。先生たちは常に「答え」から先に決めているんだよ。
ミライくん ミライくん
答えから先に決める!?
佐藤先生 佐藤先生
そう。これが第一のステップ、「ゴールを先に設定する」だ。今回は二次方程式の文章題を作りたいから、答えとなる「x」の数字を2つ用意してみよう。どんな数字でもいいよ。ミライくん、好きな数字を2つ言ってみて。
ミライくん ミライくん
えっと、じゃあ「3」と「5」でお願いします。
佐藤先生 佐藤先生
オッケー。それじゃあ、今回の問題の答えは「x = 3」と「x = 5」になるように設定しよう。これがゴールだ。次に、このゴールから逆算して、二次方程式の式を作っていくよ。ミライくん、「x = 3、x = 5」が答えになるような、因数分解された形の式って覚えているかな?かっこが2つ並ぶやつだね。
ミライくん ミライくん
あ、はい!えっと、符号が逆になるから…… (x - 3)(x - 5) = 0 ですか?
佐藤先生 佐藤先生
大正解!素晴らしいね。じゃあ、次はそのかっこを展開して、バラバラの式にしてみてくれるかな。
ミライくん ミライくん
はい。まずxとxを掛けてxの2乗。次に-3 and -5を足して-8だから、-8x。最後に-3と-5を掛けてプラス15。だから、 xの2乗 - 8x + 15 = 0 です!
佐藤先生 佐藤先生
完璧だ。これで「xの2乗 - 8x + 15 = 0」という二次方程式が完成したね。ここからいよいよ、この式を「日本語のお話」に翻訳していくんだ。これが問題作りの一番面白いところだよ。
ミライくん ミライくん
どうやってお話にするんですか?
佐藤先生 佐藤先生
いろんな方法があるけど、まずは一番シンプルな「数の問題」にしてみよう。式の形を少し変えてみるとお話を作りやすくなるんだ。今の式は「xの2乗 - 8x + 15 = 0」だよね。この「+15」を、イコールの右側に移動(移項)させてみて。
ミライくん ミライくん
えっと、符号が変わるから、 xの2乗 - 8x = -15 ですね。
佐藤先生 佐藤先生
その通り。さらに、左側の「xの2乗 - 8x」には、両方に「x」が含まれているよね。これを「x」でくくってみよう。
ミライくん ミライくん
共通因数でくくるんですね。 x (x - 8) = -15 になります。
佐藤先生 佐藤先生
よし、準備完了だ!この「x (x - 8) = -15」という式を、言葉で説明してみよう。まず「x」は「ある数」だよね。じゃあ、かっこの中の「x - 8」は、言葉にするとどうなるかな?
ミライくん ミライくん
ある数から8を引いた数、ですか?
佐藤先生 佐藤先生
大正解。つまり「x」より「8小さい数」だね。そして、その2つが掛け算されている。掛け算の答えのことを漢字一文字でなんと言ったかな?
ミライくん ミライくん
「積(せき)」ですね!
佐藤先生 佐藤先生
ばっちり。そして、その積が「-15」になる。これらを全部繋げて一つの文章にしてみよう。
ミライくん ミライくん
えっと……。「ある数」と、「ある数から8を引いた数」を掛けた「積」が、「-15」になります。この「ある数」を求めなさい……ですか?
佐藤先生 佐藤先生
素晴らしい!見事に二次方程式の文章題が一つ完成したよ!
ミライくん ミライくん
うわっ、本当だ!これ、テストの問題用紙の最初の方によく出てるやつだ!
佐藤先生 佐藤先生
そうだろう?どうだい、自分で作ってみると「ある数」と「ある数から8を引いた数」という日本語が、ただの「x」と「x - 8」の掛け算のことんだって、すごくクリアにわかるんじゃないかな。
ミライくん ミライくん
はい、なんだかすごくスッキリしました。文章題って、式をわざと日本語で隠しているクイズみたいなものなんですね。
佐藤先生 佐藤先生
まさにその通り!出題者は「どうやってこの式を日本語で隠そうかな」と考えながら問題を作っているんだよ。じゃあ、次はもう少しレベルアップして、テストで一番よく出る「図形(面積)の問題」を作ってみようか。
ミライくん ミライくん
図形ですか……。面積の問題、いつも図を見てフリーズしちゃいます。
佐藤先生 佐藤先生
大丈夫、これも答えから作るルールは同じだよ。さっきは「ただの数」だったけど、今度は「長さ」のお話にするんだ。まずはゴールを決めよう。長方形の「縦の長さ」と「横の長さ」をミライくんに決めてもらおうかな。
ミライくん ミライくん
うーん、じゃあ、縦を「4センチ」、横を「7センチ」にしてみます。
佐藤先生 佐藤先生
いいね。そうすると、この長方形の面積はいくつになるかな?
ミライくん ミライくん
縦かける横だから、4かける7で「28平方センチメートル」です。
佐藤先生 佐藤先生
オッケー。これが問題の「設定」になる。では、これを問題文として隠していくよ。普通、数学の問題では「縦の長さ」か「横の長さ」のどちらかを「x」にするんだ。今回は縦の長さを「xセンチ」としてみよう。すると、横の長さの「7センチ」は、縦の「4センチ」と比べて、どれくらい長いかな?
ミライくん ミライくん
4センチと7センチだから……3センチ長いです。
佐藤先生 佐藤先生
その通り。つまり、横の長さは「縦の長さよりも3センチ長い」と表現できる。縦を「x」としたら、横の長さはどういう式になる?
ミライくん ミライくん
xより3大きいから、「x + 3」になります!
佐藤先生 佐藤先生
その通り。さて、長方形の面積は「縦 × 横」だよね。これをxを使った式で表すとどうなるかな?
ミライくん ミライくん
縦が x で、横が (x + 3) だから、 x (x + 3) ですね。
佐藤先生 佐藤先生
素晴らしい。そして、その面積の合計はさっき計算してくれた「28」になるんだよね。ということは、方程式は「x (x + 3) = 28」になる。これを問題文の形に組み立ててみよう。「縦の長さが、横の長さよりも……」から始めてみて。
ミライくん ミライくん
えっと、縦の長さが……あ、逆だ。横の長さが、縦の長さよりも3センチ長い長方形があります。この長方形の面積が28平方センチメートルのとき、縦の長さと横の長さを求めなさい。……これでどうですか?
佐藤先生 佐藤先生
完璧な問題文だ!見事に図形の文章題を作り上げたね。でもね、ミライくん。図形の問題を作った時には、数学の先生として「あること」を確認しなきゃいけないんだ。さっき作った方程式「x (x + 3) = 28」を、最後まで計算して解いてみてくれるかな?
ミライくん ミライくん
はい。まずかっこを外して展開します。 xの2乗 + 3x = 28 になります。次に28を左に持ってきて、 xの2乗 + 3x - 28 = 0 です。これを因数分解するから、掛けて-28、足して+3になる2つの数字を探すと……「+7」と「-4」ですね!だから (x + 7)(x - 4) = 0 になって、答えは「x = -7」と「x = 4」です!
佐藤先生 佐藤先生
計算ばっちりだね。さて、出てきた答えを見てみて。「x = 4」と「x = -7」だよね。ここで、xというのは「長方形の縦の長さ」だったことを思い出してほしい。何かおかしなことに気づかないかな?
ミライくん ミライくん
あれ?縦の長さがマイナス7センチって……そんなのあり得ないですよね?長さがマイナスってどういうことですか?
佐藤先生 佐藤先生
その通り!あり得ないんだ。現実の世界では、長さや面積がマイナスになることは絶対にない。でも、方程式という「計算のルール」の上では、-7という数字も正解として出てきてしまうんだ。だから、文章題を解くときは、最後に出てきた答えが「本当に現実の条件に合っているか」をチェックしなければならない。
ミライくん ミライくん
あ!テストの解答用紙にたまに書いてある「x > 0 だから」とか「長さはプラスにならないといけないので」って書いて、答えを一つだけにするやつですか!?
佐藤先生 佐藤先生
まさにそれ!それを「解の吟味(かいのぎんみ)」って言うんだけど、これも問題を作ったからこそ意味がわかったよね。「4と-7という二つの答えが出るように式を仕組んでおいて、生徒がちゃんとマイナスの答えを捨てられるか試してやろう」っていうのが、出題者の狙いなんだよ。
ミライくん ミライくん
うわぁ、なんか先生たちの罠の作り方がわかってきました。わざとマイナスが出るように仕組んでいるんですね。
佐藤先生 佐藤先生
そういうこと。じゃあ、もう一つ、テストで本当によく出る「道幅(みちはば)の問題」を作って、罠の作り方をマスターしよう。正方形の畑の中に、十字の道を作る問題だよ。
ミライくん ミライくん
あー!畑の面積から道の面積を引くやつですよね。あれ、道が交差している部分をどうやって計算したらいいかわからなくて、すごく苦手です。
佐藤先生 佐藤先生
あれもね、図形をパズルみたいに動かして考えるのがコツんだよ。道があるせいで畑が4つのブロックに分かれているよね?その4つのブロックを、ギュッと一つの角に集めてくっつけてしまうんだよ。そうすると、道が端っこに移動して、計算がものすごく簡単になるんだ。
ミライくん ミライくん
畑のブロックを寄せる……?あ、なるほど!そうすれば、畑も一つの大きな四角形になりますね。
佐藤先生 佐藤先生
そのイメージで問題を作ってみよう。今回は「一辺が10メートルの正方形の畑」という設定にしようか。そして、縦と横に同じ幅の道を作るとする。道の幅を「xメートル」としよう。
ミライくん ミライくん
畑の幅は10メートルで、道の幅はxメートルですね。
佐藤先生 佐藤先生
そう。じゃあ、畑のブロックを端っこにギュッと寄せた時、残った「畑だけの部分」はどんな形になるかな?
ミライくん ミライくん
もともと10メートルの畑から、道の幅xメートル分がなくなるから……一辺の長さが「10 - x」メートルの正方形になります!
佐藤先生 佐藤先生
素晴らしい想像力だ。じゃあ、その「畑だけの面積」をいくつにするか、答えから逆算して決めよう。計算しやすいように、畑の面積は「64平方メートル」だったことにしようか。これで方程式が作れるはずだ。
ミライくん ミライくん
えっと、一辺が (10 - x) の正方形だから、面積は (10 - x)の2乗 ですね。それが64になるから…… (10 - x)の2乗 = 64 です!
佐藤先生 佐藤先生
完璧。よし、まずはこの問題の文章を完成させよう。「一辺が10メートルの~」から始めてみて。
ミライくん ミライくん
一辺が10メートルの正方形の畑があります。この畑に、縦と横に同じ幅の道を作りました。道を除いた畑の面積が64平方メートルになったとき、道の幅は何メートルか求めなさい。……よし、できた!
佐藤先生 佐藤先生
立派な文章題だね。じゃあ、自分で作った罠を確認するために、この方程式「(10 - x)の2乗 = 64」を解いてみよう。2乗して64になる数ってなんだろう?
ミライくん ミライくん
えっと、葉っぱ六十四だから、「8」です。あ、でもマイナスもあるから「8」と「-8」ですね。
佐藤先生 佐藤先生
その通り。ということは、かっこで囲まれた「10 - x」の中身が、8か-8になるということだ。
10 - x = 8
10 - x = -8
この2つの式を解くと、xはどうなるかな?
ミライくん ミライくん
上の式は、10から何を引いたら8になるかだから、x = 2です。下の式は、10から何を引いたら-8になるかだから……x = 18です。答えは「2」と「18」ですね!
佐藤先生 佐藤先生
計算は合っているよ。さて、ここからが罠のチェックだ。xは「道の幅」だったね。2メートルと18メートル。現実的に考えて、おかしなところはないかな?
ミライくん ミライくん
えっと、道の幅はマイナスじゃないから、どっちもプラスだし……あれ?ちょっと待ってください。もともとの畑って、一辺が10メートルですよね。
佐藤先生 佐藤先生
そうだよ。
ミライくん ミライくん
じゃあ、道の幅が18メートルなんて絶対に無理じゃないですか!畑より道の方が大きくなっちゃいます!
佐藤先生 佐藤先生
大正解!!そこに気づけたのは本当に素晴らしい。道の幅「x」は、絶対に0より大きくなくてはいけないし、同時に畑の幅である「10」よりも小さくなければいけないんだ。つまり「0 < x < 10」という条件が隠れていたんだね。だから、x = 18 という答えは条件に合わない「不適な解」として捨てなきゃいけないんだ。
ミライくん ミライくん
うわー、なるほど!さっきの長方形の問題は「マイナスになるからダメ」でしたけど、今回は「プラスの数字だけど、畑より大きくなっちゃうからダメ」なんですね。どっちも出題者が仕掛けた罠だったんだ。
佐藤先生 佐藤先生
そう、そして君は今、その罠を自分で仕掛けたんだよ。どうだい?自分で仕掛けた罠に、誰かが引っかかるのを想像すると、ちょっと面白くないかな?
ミライくん ミライくん
ふふふ、なんだかニヤニヤしちゃいます。テストで他の子が「よし、答えは2と18だ!」って書いている横で、僕は「引っかかってるな。畑は10メートルしかないのに」って心の中でドヤ顔できそうです。
佐藤先生 佐藤先生
その感覚が持てたら、もう文章題は怖くないよ。問題文を見た時に「あ、出題者はこういう罠を張ってきているな」と、相手の意図を読めるようになるからね。
じゃあ最後に、生徒が一番嫌がる「動く点(動点)の問題」も作ってみるかい?これも実はすごく簡単なんだ。
ミライくん ミライくん
動点問題!点Pとか点Qが動くやつですね。もう文章を読むだけで頭が痛くなりますけど……作れるならやってみたいです。
佐藤先生 佐藤先生
よし。じゃあ、一番シンプルな直角三角形でやってみよう。角Bが90度の直角三角形ABCがあるとする。底辺BCの長さを「10センチ」、高さABの長さも「10センチ」にしよう。
ミライくん ミライくん
はい、底辺10、高さ10の直角三角形ですね。
佐藤先生 佐藤先生
そして、点Pは一番上の頂点Aから下に向かって、点Bまで毎秒1センチで動くとする。点Qは頂点Bから右に向かって、点Cまで毎秒1センチで動くとする。どちらも同時に出発するよ。ここまではイメージできるかな?
ミライくん ミライくん
Pは上から下に降りてきて、Qは左から右へ進んでいくんですね。
佐藤先生 佐藤先生
その通り。さて、出発してから「x秒後」について考えよう。毎秒1センチで進むなら、x秒経ったら何センチ進むかな?
ミライくん ミライくん
1秒で1センチ、2秒で2センチだから、x秒なら「xセンチ」進みます。
佐藤先生 佐藤先生
正解。じゃあ、点QはBからスタートしてxセンチ進んだんだから、「BQの長さ」はそのまま「xセンチ」だよね。では、点Pはどうだろう?PはAからスタートして下にxセンチ進んできた。じゃあ、残りの「PBの長さ」はどうなるかな?元々のABの長さは10センチだよ。
ミライくん ミライくん
上からxセンチ降りてきたんだから、残りのPBの長さは、全体の10センチからxを引けばいいですね。だから「10 - x センチ」です!
佐藤先生 佐藤先生
素晴らしい!これで準備完了だ。いま、三角形PBQという新しい三角形ができているよね。この三角形の面積を式で表してみよう。底辺がBQで「x」、高さがPBで「10 - x」。三角形の面積の公式は「底辺 × 高さ ÷ 2」だね。
ミライくん ミライくん
えっと、 底辺 x と、高さ (10 - x) を掛けて、2で割るから…… 1/2 x (10 - x) です。
佐藤先生 佐藤先生
よし。じゃあ、この面積がいくつになるか、問題のゴールを設定しよう。計算しやすいように、面積が「8平方センチメートル」になる時間にしようか。
ミライくん ミライくん
じゃあ、方程式は 1/2 x (10 - x) = 8 ですね。
佐藤先生 佐藤先生
そうだね。これでお話を作るとこうなる。「直角三角形ABCがあり、AB=10cm、BC=10cmです。点PはAを出発して毎秒1cmでBに向かい、点QはBを出発して毎秒1cmでCに向かいます。三角形PBQの面積が8平方センチメートルになるのは何秒後ですか」……どうだい、完全にテストの問題だろう?
ミライくん ミライくん
す、すごい!あの難しそうな動点問題の文章が、こんなに簡単に作れちゃうなんて。
佐藤先生 佐藤先生
せっかくだから、この式も解いて、どんな答えになるか確認してみよう。
1/2 x (10 - x) = 8
まずは左の「1/2」が邪魔だから、両辺を2倍してみよう。
ミライくん ミライくん
はい、2倍すると分数が消えて、 x (10 - x) = 16 になります。かっこを外すと、 10x - xの2乗 = 16 です。
佐藤先生 佐藤先生
xの2乗にマイナスがついていると計算しにくいから、全部の数字の符号をひっくり返して(両辺に-1を掛けて)、右側の数字も左に持ってきてごらん。
ミライくん ミライくん
えっと、符号を逆にして順番を整理すると、 xの2乗 - 10x + 16 = 0 になります。これを因数分解するから……掛けてプラス16、足してマイナス10になる数字。あ、「-2」と「-8」です!
Core (x - 2)(x - 8) = 0 になって、答えは「x = 2」と「x = 8」です!
佐藤先生 佐藤先生
お見事!さて、ここで罠のチェックだ。今回はxは「秒数」だね。2秒後と8秒後。これって、どっちかあり得ない数字はあるかな?点Pと点Qは10センチの道を毎秒1センチで進むから、端から端まで10秒かかるよね。
ミライくん ミライくん
10秒でゴールについちゃうってことは、xは0から10の間じゃないといけません。でも、今回は答えが「2」と「8」だから……あれ?どっちも0から10の間に入ってます!
佐藤先生 佐藤先生
そう!ここがこの問題の面白いところなんだ。図形が大きくなっていく途中の「2秒後」に一度面積が8になって、その後もっと大きくなるけど、今度は点PがBに近づいて高さが減っていくから、また面積が小さくなって「8秒後」に再び面積が8になるんだ。だから今回は「2秒後と8秒後」という、答えが2つとも正解になるパターンなんだよ。
ミライくん ミライくん
なるほどー!マイナスが出たから捨てる、だけじゃなくて、ちゃんと状況を想像して「両方とも正解」っていうこともあるんですね。
佐藤先生 佐藤先生
その通り。文章題を作る側の視点を持つと、「なぜこの答えになるのか」「なぜこの条件が必要なのか」が立体的に見えてくるだろう?
ミライくん ミライくん
はい!なんだか、文章題を見る目が完全に変わりました。ただの意地悪なクイズじゃなくて、先生たちが工夫してパズルを組み立てているんだなって。これからは、文章題を見たら「あ、出題者はこうやって式を隠したな」って考えられそうです。
佐藤先生 佐藤先生
その意気だ。テスト本番でも、深呼吸して「この問題を作った人は、何をxにして、どんな方程式を立てさせたかったんだろう?」と逆の立場から推理してみるんだ。そうすれば、必ず解決の糸口は見つかるよ。
ミライくん ミライくん
わかりました!さっそく家に帰ったら、自分で問題を作って、友達に出題してみようと思います!ありがとうございました!
佐藤先生 佐藤先生
どういたしまして。頑張ってね!

結論:二次方程式の文章題を自分で作るための5つのステップ

会話の中で佐藤先生が伝えたかった「文章題の作り方」、そして「文章題を解くための思考法」を明確に整理します。文章題が苦手な方は、以下のステップに沿って自分で問題を一つ作ってみることで、劇的に理解度が深まります。

【ステップ1】ゴール(答え)を先に決める

決して文章から思いつきで書き始めてはいけません。必ず「x = 3、5」のように、最終的な答えとなる数字を2つ先に設定します。これがすべての出発点です。

【ステップ2】ゴールから逆算して方程式を作る

設定した答えをもとに、因数分解された形(例:(x - 3)(x - 5) = 0)を作ります。これを展開し(例:xの2乗 - 8x + 15 = 0)、計算しやすいように式を整理します。この「出来上がった式」をベースに問題文を作っていきます。

【ステップ3】どんなテーマのお話にするか決める

数式を日本語に変換するためのテーマ(題材)を選びます。
・数の問題:「ある数」と「ある数から〇〇を引いた数」など
・図形(面積)の問題:長方形の「縦と横」、畑と「道幅」など
・動点の問題:動く速さと「時間(秒)」など

【ステップ4】式を日本語で「隠す」(文章化する)

ステップ2で作った方程式のパーツを、ステップ3で決めたテーマに合わせて日本語に翻訳します。例えば「x」を縦の長さ、「x + 3」を横の長さと設定し、「縦より横が3センチ長い長方形」というように、数式を言葉で包み隠していきます。これが問題文になります。

【ステップ5】不適な解(罠)の条件を確認する

ここが最も重要です。二次方程式は答えが2つ出ることが多いですが、現実世界のお話にした瞬間、「長さや時間はマイナスにならない(x > 0)」「道幅は畑の幅より大きくならない(x < 10)」といった「隠れた条件(罠)」が発生します。自分で作った問題の2つの答えのうち、どちらかがこの条件に引っかかって除外されるか、あるいは両方とも正解になるかを確認します。

このように「出題者の視点」を持って問題作成のプロセスを体験することで、テストで文章題を見たときに「式をどうやって日本語で隠しているのか」「どんな罠(条件)を仕掛けてきているのか」を客観的に見抜くことができるようになります。文章題は暗記ではなく、この構造を理解することが克服への一番の近道なのです。


理解度チェック問題

今回の記事で学んだ「文章題の構造」や「罠(解の吟味)」についてのミニクイズです!各問題の選択肢を選んで正誤判定してみましょう。

【第1問】 二次方程式の文章題を「自分で作る」とき、一番最初にしなければいけないことは何でしょう?
ワンポイント解説:
文章から作り始めると、答えが割り切れなくなったり、答えが存在しない問題になってしまうことがあります。そのため、数学の文章題を作るときは、必ず最初に「答えの数字」から決めるのが鉄則です!
【第2問】 長方形の面積の問題を解いて、計算上は「x = 5, -8」という2つの答えが出ました。xが「縦の長さ」を表しているとき、正しい解答はどうすべきでしょうか?
ワンポイント解説:
現実の世界では、長さや面積がマイナスになることは絶対にありません!「x > 0」という条件(解の吟味)をしっかり行い、現実的にあり得ないマイナスの答えは捨てる必要があります。
【第3問】 一辺が10mの正方形の畑に道幅xmの十字の道を作りました。方程式を解いて「x = 2, 12」となりました。正しい道幅はどれでしょう?
ワンポイント解説:
今回の罠は「元の大きさを超えてしまうプラスの数」です。一辺が10mの畑の中に12mの道を作ることは絶対に不可能です。よって、0 < x < 10 という条件から12は不適となり、2mだけが答えになります。
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